第7話 色鉛筆
私の先輩の話です。私は美術部に所属しているのですが、一つ上の先輩であるEさんは色鉛筆のみ仕上げる風景画で賞を受賞するほど絵が上手く、人柄も良くて顧問からも慕われている方でした。
ある日たまたま先輩が使っている色鉛筆を見たのですけど、青色の色鉛筆だけ他の物よりも明らかに短くなっているのに気づきました。先輩の絵には決まって綺麗な青空が描かれていたので、きっとそれで青色が他のより短いんだと思いました。なので先輩が卒業する前の日にプレゼントしようと考えていたんです。
そして卒業式前日、部室に呼んで二人きりになった状態でプレゼントしました。喜んでくれるのかと思った次の瞬間、
「なにしてんだよ‼ 明日卒業式なのに‼」
急に大声を上げてそう怒鳴ると、私が用意した青鉛筆を奪うように取り、そのまま走って行ってしまいました。
翌日の卒業式、先輩は来ませんでした。あれから先輩には一度もあっていません。私は悪いことしてしまったのでしょうか……
※これは私の妄想です。
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