第73話判断

あの日、私はいつもの時間に起きて普通に朝ごはんも食べました


体調が悪いのは、続いていましたがいつもと変わらないといえば変わらない


そんな朝でした


異変があったのは、お昼になる前くらいのことなのではないかと思います


気がついたら、家具と壁の間に挟まるようにして倒れていました


倒れた時の記憶は、まったくありません


自分の部屋の中にいるはずなのに


見えている光景が、まったく見たこともないもので


それでなくとも落ちているだろう判断力というものは


ほぼなかったのではないかと思います


倒れた時に肩と腰辺りを打ったようで


起き上がるのも難しく


わずか先に置いてあるスマホまでたどり着くにも、時間がかかりました


呆然としてしまっていて、家族を呼ぶという手段を思いつけるまで


倒れてから、三時間ほども経っていたかと思います


救急車を呼ぶという判断をしてくれたのは


駆けつけてくれた家族です


自分では、できませんでした



こういう時、本人の判断って本当にあてにならないと思います


状況をふかんできる人に判断してもらうのが


一番よいと思うんです


特に日本人って、大丈夫ですか?ときかれたら


咄嗟に、大丈夫ですって答えてしまいがちですが


まったく大丈夫じゃないことが多いのではないでしょうか


できる人に判断してもらうのが大事なことだなと思います

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