第1章 混沌は覗き覗かれる

平凡な一日の始まり、探索者はそれぞれの寝室で目を覚ます。

あるものは学校の、あるものは会社の準備を、またあるいはコーヒー片手にモーニングルーティンをこなしていく。

”ガチャ”

各々の目的のため玄関の扉を開く。

徒歩、自転車、バイク、車、バス、電車、それぞれの方法で目的地へ向かう、、、、、


、、、、、つもりだった,,,,,


―――ふと、目を開くと都心の大通りに立っていた。

そして例外なく探索者たちは空を見上げる。

何の変哲もない快晴の秋空。

――そんな風景は瞬きをする間に代わっていた。

あれだけ騒がしく、人で溢れ返っていた駅、

エンジンや話し声で騒がしかった大通り、

その全てが恐ろしいまでに静まり返る。

あたりの建物は瓦礫と化し地平線へと変貌していた。

そしてあれほど澄んでいた空は禍々しい漆黒へと変貌する。

ふと、頭上に気配を感じる。

探索者はその優れた感覚でとっさに”それ”を感じ取り、回避した、、、、、、

つもりだったが間に合わず、虚しく下半身を潰される。

薄れゆく意識の中探索者は”青白く輝く何か”の奇妙な笑みを目にし、そのまま意識を手放した。

――――――――――

探索者は目を覚ます。

そこは照明もないのに明るく、真っ白で窓もない、壁と床、天井の区別もあいまいな空間。まるで夢でも見ているようなふわふわとした感覚に襲われる。

  ???《$#"&#%"*\♪》

急に頭の中に理解できない”音”のような”声”のようなものが響き渡る。

  ???《#$、、『あぁ、すまない。君たちにはこっちじゃないと伝わらないね」

ふと、探索者たちの後ろから声が聞こえる。

振り返るとそこには執事を彷彿とさせるタキシードを着た人物が立っていた。

しかしその見た目は、体の形こそ人間だが、身長はゆうに2mを超え、頭と思われる位置には黒い霧の塊のようなものが浮いている。

  ???「ごほん、改めてまず、突然連れてきたことを詫びよう」

謎の人物は深々と頭を下げ、姿勢を戻してから

  パリア「私は、、、うーん、そうだね、"パリア"、、、とでも名乗っておこう

  か。」

  パリア「ここは私が作り出した精神世界、君たちはある"新たな邪神"によって一度死んでしまった。しかし、私としてはそれは喜ばしくないことなんだ。だから私は君たちの魂と精神をここにとどめさせた。君たちは生き返りたくないかい?もちろんちょっとした”お手伝い”はしてもらうけど」

少し間を置いて、探索者の答えを待たずに

  パリア「詳しいことは”猫”を通して説明する、時間がない一旦君たちを生

  き返らせる。また後で会おう。」

パリアが探索者たちに向け手を振ると探索者の視界は暗闇にのまれ死んだはずの肉体で目を覚ます。

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