第7話 書庫の中で探し物! みみっく

「うん。一緒に行こ!」



 割り終わった薪を二人で拾い集め、台所にある薪置場に置き二人で書庫へと向かった。


 そこにはローソク立てが複数配置され、本が探しやすいようにされていた。普通の一般家庭で揃えている量ではなかった。



(この世界では、本が唯一の娯楽だからとか?これが一般的なのかな?本棚ではなくて書庫だし……)



 大きさも他の部屋と比べても広く本の香りが漂っていて、心が落ち着く感じがする。


 さっそく書庫へ入ったルナは自分の目的の本を探して、ローソクを持ち書庫を歩き回り始めた。ルナが思い出したように早足で目的の場所に着くと本を片手に設置をされていた机と椅子に座り読み始めた。



(俺は、どうすれば?難しい本ばっかりで意味が分からないぞ? 俺を放置されても困るんだけどなぁ)



 仕方ないのでルナの背後に立ち後ろから眺めていると、嬉しそうに振り返ってきて目が合い思わず目を逸らしあった。



「あ、あのね……これを見てみて」



 読めるのか疑問だったがどうやら、使われている文字は同じで読めた。



”太陽の人間にのみ開かれる洞窟があり……”



 文字の途中で文字が滲み読めなくなっていたが、ルナは嬉しそうな表情をして立ち上がった。俺の手を引き台所で料理を作っていたセレナさんのところまで連れてこられた。



「ママ! ご飯が終わったら出掛けてきて良い?」


「二人で遊びに行くのかい?」



 嬉しそな表情でセレナさんが料理をしながら振り向いて聞いてきた。



「うん。ちょっとねッ!」



 ルナが嬉しそうに答えた。



「そうかい。そうかい。薪割りで仲良く慣れたんだね」


「まぁ〜そんなところかなぁ」


「直ぐ準備をするから、お皿の準備を二人でしてくれるかい」


 二人でお皿の用意と配膳をして家族の様に仲良く食べた。



 すでに時間感覚がおかしくなっていた。今、食べた物が夕飯なのか朝食だったのか分からない。出掛ける時にセレナさんにライトと剣を手渡された。



(やっぱり、あれは現実だったのか……。あのアニメやゲームで見るようなデカい魔物のようなヤツ。これって、その自衛のための装備だよな)



 ルナは自分の部屋で着替えてきて、冒険者のような格好をして武器も装備していて格好良い。


 セレナさんに見送られて二人で家を出ると行き先を知ってるかのようにルナが歩き、その後ろを付いていく。



「あのさぁ、行き先は知ってるの? 文字が滲んで読めなかったけどさ」


「他の本にも書いてあってね。太陽の人間って、ようくんのことだと思うんだよね」



 森の中に入るとガサゴソと聞こえるが襲い掛かってくる気配は無かった。



「なんだか、さっきからガサガサって……」


「大丈夫よ。私が守ってあげるから!」



 え?ルナちゃんって強かったりするの? こんな可愛い感じなのに?


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