第50話 私のステータス……凄い!
「ウィルヘルムさん、もしかして、まだ教えていないんですか?」
「えぇ、まだ教えていません」
「重要なことなの? ウィル! 酷い!」
ウィルは少し焦った表情を見せながら、慌てて説明を始めた。
「ステータスの確認についてのことです。城にいる時は、城の者に隠し通す必要があったので、悪気があって隠していたわけではありません」
「ヴィヴィオラのステータスは、そんなに隠さなければならないくらいのものなのですか?」
「えぇ。利用価値を気づかれますといけませんからね」
ええ? 私のステータスって、それほどまでに利用価値があるものなの?
「確か、HPが22、MPが222だったことは覚えてる」
「HPが低すぎーー」
絶句するの、やめてよ!
私もそのこと、ずっと気にしてたんだから。
どうせならHPもMPみたいに222(にゃーにゃーにゃ―)にしてくれてもよかったのに!
虎さまのバカ!
「大丈夫です。この世界の成人女性はHP20ぐらいです」
「そ、そうなの? じゃあ、普通だね!」
「冒険者の女性は?」
「HP35ぐらいです」
「うわっ…私のステータス、低すぎ…?」
「その言い方、聞いたことありますね」
「冷静に言わないで!」
これが、世代のギャップ……。
私と神斗は、5歳は離れてるしぃ、本来の年齢だと8歳も離れてるもんね。
「もう城の監視から離れたので大丈夫でしょう。ヴィヴィ、頭の中で自分のステータスが見たいと思い描きながらステータスと口に出してみてください。そのうち、口に出さなくてもできるようになります」
城でステータス確認した時は、神官の持つ青い珠に手を乗せたけど、実は自分で簡単に確認できたと……。
「じゃぁ、やってみるね」
んんん、自分のステータス……、見たい……、ステータス……。
城のステータスを見たときのことを思い出しながら。
見たい……。
「ステータス……」
目の前に文字が見える。
[名前]ヴィヴィオラ
[年齢]22歳
[種族]???
[ジョブ]???レベル0
[固有スキル]星の加護、配信
[HP]022
[MP]222
[魔法属性]生活、無、聖、魔
「わわわ! 見える! 見えるよ! おっ! 固有スキル……二つある! あっ! 魔法も使えるみたい!! やった!! やった!! ラッキー!! 嬉しい!」
「よかったじゃん」
これなら、みんなの足手纏いにならなくてすむかも!
でも、ウィルと話をしていて思ったことなんだけど、ものすごく強い人にとっては足手纏いなんて気にならないらしい。
ちょっとした縛りプレイみたいなものなんだろうな。
「隠していたのは、魔法属性が問題だったからです」
「ヴィヴィオラ、属性なに?」
「生活? 無? 聖、魔? と4つみたい」
「4つもあるの!?」
そんなに驚くということは凄いのかな?
「〖生活〗魔法で使えるのは、【
「アイテムバッグ? ボックス?」
あぁ、南の野営場で隣の見物人パーティが、首を振って違うって言ってたのはコレか。
アイテムバッグでなくて【
「そのバッグとさ、ボックスって何が違うの?」
「そうですね。【
ウィルは、【
私と神斗は目を見開き、「わぁ! 凄い!」と感嘆の声を上げる。
まるで魔法のよう……魔法だった。
「アイテムバッグは、この魔法が掛かっているバッグです。ダンジョンの宝箱から出ます。とっても高価で無属性魔法が使えない冒険者は喉から手が出るほどの品です。もちろん誰でも使えます」
「なるほど!」
私もそのバッグ、ずーっと欲しかった。
やっぱり、自分で持ちたいんだもの、下着とか、下着とか、プライベートなものとか、下着とか。
神斗も目を輝かせて、「そのバッグ、俺も欲しい。ヴィヴィオラはいいなぁ」と呟く。
私は「いいでしょう。ウフフ」とまだ使えない魔法なんだけどね。
アレ? ウィルは【
「んんん? ということは、ウィルは【
「そうです。バッグとボックスの決定的な違いはその容量です。何でも持ち運べる【
城の人たちが考えそうなこと……。
「例えば、城の全ての武器や遠征に必要な物資を全部持たせるとか、そういうこと?」
「その通りです。そして、そうなれば必然的に奴隷にされていたでしょうね」
「言うことを聞かせるために、奴隷にするってこと!?」
「あいつら、やりそうだなぁ」
ウィルは【
そして、洗い終わった食器類を触れて【
やっぱり、便利だ!
ウィルが城の者へ、ヴィヴィオラは魔法属性なしと報告した。
だから、城では私はMPがあるのに魔法が使えないとされていて、何にもできない子扱いで放置気味だったんだ。
ウィルが城の外で【
それにしても、荷物持ち放題の【
もしかして、虎さまが旅をしたいと言った私のために無属性をくれたのかな!
それとも、ラッキー全振りのおかげかな?
「他にも無属性魔法にはいろんな便利なものがあります。そして、ヴィヴィは〖聖〗属性と〖魔〗属性の適正がある」
「聖属性ってツトムさんの聖者と同じ属性?」
ウィルは「そうです」と頷いた。
ヒーラーになれる! 物も沢山持てる! 私って凄い!
「それは、確かに危ないかもな~」
「なんで? 便利でラッキーなのに」
「俺の光属性も貴重らしいんだけど、聖属性は回復系だから。どのゲームでも小説でも回復系は重要職でしょ?」
「無属性、聖属性、魔属性は、どれも貴重なのです。城の者に知られてしまえば、奴隷にされて使い倒されるか、もしくは、レンギア王国が信奉している神殿に殺されるかもしれません」
「神殿って怖い……」
「自分たちに都合が悪いものを消すのは、彼らの得意分野ですからね」
宗教って救済ではないの?
死が救済だとか、ゲームの世界だけだと言ってよ。
「魔法ってさ、実際どうやって使うの?」
「魔力を使う訓練とそれとは別に神殿に行かないと使えないです」
「そんなに大変なんだ。……ちょっと待って。神殿に行くの?」
「そうですね」
「バレるんじゃ……」
神殿にこき使われるなんて勘弁!
ツトムさんを除く、神官系の人で感じのいい人に会ったことがない。
ツトムさんは、うん、まぁ、悪い人ではないと思う。
ちょっとクセが強い人ってだけだよね?
出会った神殿関係の人だけかもしれないが、上の地位の人があれでは期待はできない。
「大丈夫です。魔法を設定するだけなので誰がどの属性か情報収集はできないようになってます」
「ふ~ん? ん? そうなんだ……」
魔法を設定ってなんだろう?
練習すれば、その場で使えるわけではなさそう。
「今出来ないのか……残念!」
配信でみんなに見てもらえば、楽しそうと思ったけど、簡単にはいかないか。
敷物から立ち上がって伸びをした。
「仕方がない! 今から、その固有スキルの配信を使って、配信してきます。すぐもどるから心配しないでねー。あっ、寝てても大丈夫だよ!」
「ヴィヴィオラ、今日はその、止めておいたら? 一日中歩いて疲れてるはずだよ」
「神斗さんの言う通りです。今日でなくてはいけないのでしょうか?」
配信したいだけなんだけど……。
小一時間ほど……。
「明日は、今日ほど先を急ぎませんので、明日にしましょう」
「ウィルヘルムさんの言う通りだよ。慣れない旅の一日目だよ。明日にしよ?」
「うん……」
おかあさんのような人が二人いる……。
結局、寝る準備をさせられ、仰向けで夜空を堪能することになった。
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