びわの実

 私は孤独を感じた時夢に縋る。そばに居てくれる人を望む。心を交わせる人を望む。ありのままの私を温めてくれる人を望む。

 しかしそれは若い女でなければならない。しかしそれは財産が豊富でなければならない。しかしそれは私と対等でなければならない。

 私は人にありのまま愛してくれることを望むくせに、私自身は私が愛する理想だけを見ている。そしてそれを変えようと思えない。

 夢想の跡には何も続かない。それがわかっているから、私はとても悲しくなりまた夢に縋る。

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