ヴォルフは、ゆるキャラ同然の工作艇を忌々しげに見つめる。


「今後は飛行艇のように空も飛べるような工作艇を開発することになり、技術屋一同、力が入っています」

「亀を空に飛ばそうというのか? ガメラかよ?!」

「ガ、ガメ……?」

「もう、いい! 独り言だ」


 それにしても、見れば見るほど脱力を誘う亀型の船艇である。

「これから作戦に入る気分にもなってくれ」

「それは、姫に直接言ってくださいよ」

「ちいっ! だーかーら、言えるわけねえだろ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る