リプライズ ‐ パート3(日本語)
またひと月ほど経った。
そんな気がするが、もっと長かったのかもしれない。
正直わからない。ただ、ずっとベッドに横たわりながら、修道女たちの世話を受けているだけだったから。アエラリアは時々やってきて、俺に癒しの魔法をかけてくれる。
でももちろん、何の効果もない。相変わらず最悪の気分だ。
考えることと言えば、俺が置き去りにしてきた人たちの顔ばかりだ。
俺のパーティーの仲間たち。日本にいる両親。そして、さざ波ちゃんのことまで頭をよぎる。
時間は彼らにどう影響しているんだろうか?俺の死後も、普通に続いているのだろうか?もしそうなら、日本で知っていた同級生たちは今頃30代だろう。両親も、もしかしたら亡くなっているかもしれない。
それとも、これは別の時間軸なのだろうか?俺が感じる時間の流れは、彼らのそれとは違うのかもしれない。
サザナミちゃんをは今頃結婚しているだろうか?
……
馬鹿げた考えだ。なんでそんなことが頭をよぎったんだろう。でも、彼女が幸せなら、それはそれで良いことだろうな……
俺が刺されて死ぬところを目の前で見た彼女にとって、それはかなりトラウマだったに違いない。あんな風に血を撒き散らすなんて、紳士的ではなかったよな。
冗談だよ……他にどうしようもなかったけど。
でも、それは置いておいて、どこに向かうべきかを考えるべきだ……
周りで起こることを見ていると、すべてが同じように見える。どこかしら、何かしら同じだ。
ずっとこうしてベッドで寝ているだけなのに、何も変わらない。断片的に覚えている会話を耳にし、既に知っている出来事について話されるのを聞く。
つまり、俺は時間のループにいるのか?そう呼ぶのが論理的だろう。俺は死んだ……でも女神に再び会う代わりに、ただここで人生を巻き戻されただけなんだ。
じゃあ、どうすればこれを抜け出せる?そもそも抜け出せるのか?あの馬鹿げたダンジョンをクリアするまで、同じ人生を繰り返すなんて嫌だ……
転生を放棄できたらいいのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます