To Die Again(日本語)

【ゼニス144、階層400 - ボスルーム】


 ついに、399階層をクリアして、この巨大な扉を開く時が来た。心臓が高鳴っているのは恐怖ではなく、興奮のためだ!この最後の階層を突破すれば、あの女神が誇らしげに見守ってくれるだろう。そして、この世界に一泡吹かせるために、ここまでが驚くほど…簡単だったことを誇示したい!


 だが、今目の前に立っているその生物は…

 見たこともない存在だった…


 戦いたくても、体が動かない。


 長い年月をかけて習得したすべてのスキルが、数秒間の猶予しか与えてくれない。直感的な防御を重ねるたびに…祈り、学んだことすべてを思い出し、これまでの戦いの一つひとつを頭の中で再現していく。


 だが、剣が手の中で砕け散った瞬間、それにどれほどの価値があるのだろうか?かつて自分の一部として扱っていた剣の鋭い破片が、今は顔に散らばっている。


「痛い…」


 目に流れ込んでくる赤い霞の中で必死に視界を確保しようとする。暗い。だが、血と自分の絶望的な状況が見える。

〈最初から仕組まれていたことだ〉と言いたいが…


 だが、自分以外の何かのせいにするほど傲慢ではない。


 自信過剰のせいで、朽ちた柱のそばで、こんなにも激しい痛みに打ちのめされているのだ。ただの柄を手に持ちながら、近づいてくるものに目を向けるのもやっとの状態。


 息ができない。


 すべてが苦しい、何もかもが痛い。


「はぁ…またか…なぜまた…?」


 血と涙にまみれ、こんなにも情けない姿で柱にもたれ、己の傲慢の犠牲となっている。


 血で染まった視界の向こうからそれが近づいてくる…近づいてくる…私の姿をじっと見つめるまで。身を守ろうと動こうとするが…



 無駄だ。



 死をもたらす一撃が振り下ろされるのを無視しようとする。最期の瞬間を残そうとして、痛み以外のことを考えようとするが…

「ああ…また…また出血して死ぬのか…」




「え…?」




 骨が砕かれる痛みを感じるはずが…目に映るのは「フロルヴェネ…?」


「修道院…この野原…待て…」


 混乱し、圧倒されるが、それよりも明らかなのは、自分がもう【第16世界ダンジョン】にいないということだ。血を流しながら死にかけていた部屋はもう周りにない。


 違う。


 代わりに「カイラス」として初めてこの世界に降り立った場所に戻っている。まだ馴染みのない8歳の体、この雪原に立ち、後ろには修道院がある。手には剣もなく、まともな服すらない…ただ、再び始まりの場所に立つ–孤児として。


「どうして…?」

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