君の面影は鈴の音と共に蘇る
紫苑
第1話始まりの刻
大きく透き通った池、真っ赤に染められた紅葉。
目の前に広がる景色に思わず息を呑む。
ここはどこだろう、と心の中で呟いた。
池の向かい側からチリンチリン…と鈴の音が聴こえてくる。
その音はだんだんとこちらに向かっているみたいだ。
綺麗な音だと思った。誰が鳴らしているのだろう。
突然風が大きく吹き、思わず目をつぶった。
風と共に鈴の音は聞こえなくなっていた。
乱れた髪を整えるために池を覗き込む。
(私って…こんな顔だったかな…)
腰まで伸ばした黒い髪、目の形や色。眉毛の形、唇も、全部一緒。でも何かが違う。
まるで私じゃないみたい。
「あなたはだれ…?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます