幻想的な餓死

餓死寸前の孤独児を他所目に

背広を着た丸い政治家が

コンクリートを踏み鳴らす

孤独児は紙粘土の鼻を垂らし

足を震わせじっと見つめているが

びくともしない彼の横顔は通り過ぎていく

鼻をすすって浮き出た肋骨を

ごしごしとさすると

孤独児の体はみるみるうちに溶けていき

やがてなくなってしまった

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