破局の要因

うまく書けなかったので、内容だけ把握して次話を読んで頂けると嬉しいです。

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―――とある日の夜



『颯太くん、ここは行きたいのだけど……颯太くん、聞いてるかしら?』


「うん、聞いてるよ。ミスコンを観に行きたいって話でしょ?」


『違う! 〇〇サークルの出し物は絶対観に行きたいって話よ! やっぱり聞いてないじゃない……』


「あはは。ごめんごめん」


『もう! ……ふふふ』



 明日は、大学のキャンパス祭だ。


 今は、明日どこを回るか2人で話し合っているところだ。


 それで僕が話を聞いてなくて怒られた訳だが……最後は笑ってくれたので許してください。


 僕は特にサークルなどに所属していないが、生寄はサークルに入っていた。


 そう、過去形である。


 生寄は、僕と一緒にキャンパス祭を回るためにサークルを辞めたのだ。


 多少は重さも改善されたと思っていたのだけれど……



 でも、友達とは遊んでいるし、以前よりはマシだろうと思って割り切っていた。









『ふふふ、明日が楽しみ!』


「僕もだよ」


『明日はしっかりエスコートしてね?』


「あはは……善処します」


『ふふ、おやすみなさい』


「おやすみ」



 電話が切れると、少し虚無感に襲われる。


 いつもは課題をやったりして虚無感を紛らわすのだけど……



「明日、楽しみだなぁ」



 今日は、明日のことを考えるだけで上書きされる。



 キャンパス祭なんて、去年までは僕に縁のない行事だった。


 でも、今年は大好きな彼女がいる。


 きっと、いままでの人生でもトップクラスで楽しい時間になるだろう。



 僕は、明日寝坊しないために早めに眠りにつくのだった。





♢♢♢





翌日―――




「ごめん、待った〜?」


「ううん、全然待ってないよ」



 待つ気満々だったんだけどね……


 待つつもりで、1時間前から駅前にいたんだけどね。



―――なんで生寄も55分前から来るの!?



 いやー、30分前にしなくてよかった。


 ありがとう青い鳥のみんな。


 君たちが1時間前にしとけって言ってなかったら、恥を晒すことになってたよ。



「それじゃあ、ゆっくり大学に向かおうか」


「うん!」


「キャンパス祭が始まるまで時間あるし、彼処のカフェでも行こうか」


「分かったわ。キャンパス祭が待ちきれない!」


「僕もだよ」



 キャンパス祭が始まるまで、あと30分ほどある。


 キャンパス祭が始まるまでは、僕がよく行くカフェで時間を潰そうと思う。


 最近は、講義が終わったあとに生寄と2人で行ったりもするしね。





 その後、カフェで雑談をしていると、時間はあっという間に過ぎていた。


 そろそろキャンパス祭が始まるので、カフェを出て生寄と大学に向かい出す。。



 そして―――





「いよいよキャンパス祭ね! 待ちきれないわ!」



 僕と生寄は、大学の入り口にいる。





♢♢♢





 僕と生寄は、キャンパス祭を楽しんだ。


 元々行こうと約束していたところに行ったり、回っていて楽しそうだと思ったところに

行ったり、生寄の友達が所属しているサークルの出し物を観に行ったりした。



 家で課題をやっていた去年とは違い―――



 今年のキャンパス祭は、とても楽しかった。


 まあ、まだ終わってないんだけどね。



 現在時刻は午後5時である。


 昼食を食べ終わった僕と生寄は、少し休憩するために人の少ない場所にあったベンチに来ていた。


 少し休憩したあと、僕はトイレしたくなったのでトイレに来ている。


 今日初めて生寄と離れて1人になったので、回想に浸っていた訳だ。



 行くとこは大体回ったし……次はどこにいこうかな……


 生寄と回るならどこでも楽しいんだけどね。



 用を足した僕は、手を洗いながらそんなことを考える。





 そんなとき―――





「や、やめてください!」


「いーじゃん、俺らと遊ぼーよー!」



 そんな会話が聞こえてくる。


 男が女を無理やりナンパしているような会話。


 漫画でしか見ないようなセリフだ。


 普段であれば、僕は「お気の毒に……」程度でそそくさと逃げていたかもしれない。


 だけど、そうするわけには行かなかった。


 なぜなら、ナンパされている側の女性の声が、僕の恋人のものだったから。


 僕は、急いでスマホを取り出しつつ外の様子をうかがう。


 いかにもチャラ男といった男たち3人が、生寄を囲んでいる。



「彼氏がいるんですっ! 話してください!」


「大丈夫だって。彼氏もわかってくれるさ」



 周りに人はおらず、いるのはチャラ男たちと僕と生寄のみ。


 僕だけじゃどうにもならないため、カメラでその様子を撮影しつつ、決定的な瞬間を撮るために待機する。



「やめてくださいっ!」


「いーじゃん別に」


「痛っ」



 チャラ男の一人が、生寄の腕を無理矢理掴む。


 その瞬間を撮影した僕は、生寄に駆け寄る。



「すいません。この女性、僕の彼女なのでやめてもらってもいいですか?」


「あー、嘘つかなくてもいいよ。可愛い娘見て助けたくなっちゃったんでしょ?」



 まあこんな奴にこんな可愛い彼女がいると思わないよな。


 でも、本当なんだわ。



「これ、ネットに出しますけど」



 そう言って、さっきスマホで撮影した動画を見せる。


 すると、チャラ男たちは明らかに焦り始め―――



「ちっ、行こうぜ」


「あ、ああ」


「お、おう」



 そういって、チャラ男たちは去っていった。


 やっぱりビデオが効いたみたいだ。



「生寄、大丈夫か?」


「…………」



 生寄に問いかけても、返事が返ってこない。


 不安になりもう一度問いかけてみる。



「生寄?」


「ふぇ、あ、う、うん。だ、大丈夫だよ!」


「よかった。今日はもう帰ろうか?」


「……うん、今日はもう帰りたいな……」



 まあ、こんなこともあったしね。仕方ない。



「じゃあ、駅までは一緒に行こう。もし不安であれば、家まで送って行くけど」


「うん、ありがと。お願いするね」





♢♢♢





 あのあと生寄を送って帰ったのだが、生寄はずっとボーッとしていた。


 心ここに在らずといった感じだ。


 しかし、彼女の家まで帰ると



「今日は……その……一人でいたくなくて……」



と上目遣いで言われてしまい、解放されるのは夜遅くになってしまった。


 という訳で、現在時刻は夜10時。


 やっと自宅に帰って来れた。



 今日は、楽しかった。


 だけど、チャラ男たちの衝撃が大きすぎて上書きされてしまった感があるのが少し悲しい。


 でも、彼女を守れたし……あそこでビシっと決めれたら良かったのだけど、陰キャには難しい。


 ああいう手段でしか陽キャには勝てないのだ。許してほしい。



「今日は疲れたな……」



 僕は眠りについた。






――――――――――――


昨日は、体調不良で投稿できませんでした。

完結に向けて引き続き頑張っていきますが、未だ体調が悪く、明日の投稿ができるか怪しいです。

明後日には確実に投稿できるよう頑張りますので、ご容赦下さい。

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