けんそう

 うおおおおおおーーー

 きゃあああああーーー


 人の声とは、このようにうなったりさけんだりもするものなのでですね。

 低い声、高い声、一体どこから出ているのでしょう、と疑問を覚えます。


 あ、

 姫さま!


 まぁ……

 あんなに はしゃいでおられる姫さまの姿、はじめて見ました。


 かような箱のような部屋の中に閉じ込められて、

 女子おなご達は何をそんなにさわいでいるのでしょうねぇ。


 これが、姫さまのおっしゃっていた「かつ」というもの なのでしょうか。



 は!

 わたくし、此度こたびは姫さまに内緒であとをつけてきたのですから。

 姫さまに見つかっては なりませぬ。


 そぉっと、そぉっと、

 気配を消して。


 それでも、

 じぃっと、

 姫さまを観察してみませう……








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る