第18話 会議と仕事と異世界のテレビ番組

「では、第1回自社ビル建てちゃおう会議を始めます!」

「「「わ〜」」」


薫さんの宣言で会議が始まる。

参加者は僕、薫さん、三日月ちゃん、そしてしらゆりちゃんの4名。

ちなみにしらゆりちゃんの呼び名は、みんなと同じように砕けた呼び方で呼んで欲しいという事で、ゆりちゃんになった。しらゆりちゃんでも良かったのだが、仕事感が出てしまうかなと思い、動画内やSNSに名前を出す時以外はゆりちゃんと呼ぶことにした。


「とりあえず、必要なもの、収録ブースなどについてはこれから説明しますので、それ以外の所は各々の希望を出していってください」

「「「はーい」」」


というわけで、薫さんの説明タイムだ。とても分かりやすかった。

大雑把にまとめると。


・建設するビルは、オフィス兼住居とする。

・居住スペースには、僕、薫さん、三日月ちゃん、ゆりちゃん、そして今後増えるスタッフさんなどが住む予定

・1階にはエントランスや、警備担当者用の部屋なども用意する(警備の人員は国から派遣予定)


現時点でこんな感じらしい。

国からの派遣て何?って思ったら、男性が働く会社には国から保護官や警備隊などが派遣されるらしい。これも男性を守るためだとか。異世界難しい。ALS〇K《アル〇ック》やSEC〇M《セ〇ム》みたいなもんだと思うことにする。

てか何階建てのビル作る気!?


「これから、シオミズチャンネルには多くの業界人が接触してくると思います。ミズキさんと、つながりを持ちたい者、あわよくば引き込みたい者様々です。というか既に多くの事務所から、所属にならないかと打診が来ています」

「そうなの?」

「はい、ですがそれはミズキさんの望みとは違いますよね?」

「うん、僕はあくまで自由に好きなことをしたい。どこかに所属しちゃうと少なからず制限はかかるよね」

「ええ、ですのでいつでも会社を起こせるように下地を作っておこうって訳です」

「な、なるほど?」

「まあ、難しく考えなくて大丈夫です。私たちがもっと楽しくお仕事をするための場所を作るために、国も協力してくれてるって思ってくれれば大丈夫ですよ」

「スケールがでかくなった気が・・・」


「先の一件から、保護局としても少しでも信頼を回復したいんですよ。なので遠慮する事ないですよ」

とは、三日月ちゃんの言葉。そういう事ならばと納得する事にした。


それから僕達はそれぞれの希望を出し合った。

もちろん全ての希望が通るわけでは無いと分かってはいるが、自分達で思い通りの内装を考えるのは楽しかった。マイホームとかを建てる時もこんな気持ちなのかな?まあ、このビルは住居も兼ねてるわけだし、実質マイホームを建てるのと同じかな?




話し合いから数日後、薫さん、三日月ちゃん、ゆりちゃんの3人は、立地などの打ち合わせをしてきますと言って出かけて行った。僕は出歩く訳にも行かないのでお留守番だ。そして3人から送られる写真を見て確認するって感じ。

まあ、多少とはいえ国も絡んでるのなら、変な事にはならないでしょ。


とりあえず今は、僕は僕にできることをやろうかな。と言ってもほとんどいつもとやること変わらないんだけどね。譜起こし、譜起こし、また譜起こし。譜起こしって言う表現が合ってるのかは分かんないけど。



「よーし、今日のノルマ終わり〜!」


数時間後、今日分の作業が終了した。

慣れてきたからかな?思ったよりも早く終わった。まだ3人も帰って来てない。

んー、何しよう。

そうだ、いつもより手の込んだご飯でも作ってみようかな。どうせなら薫さん達の分も作ってみんなで食べようかな。もし無理でも、持って帰れるものとか。

となるとスープ系は避けるか、うーん。

悩む。


「こんな時は、ネットレシピさんの出番だ!」


ネットレシピはその名の通り、ネットにレシピを投稿できるサイトの事だ。僕もたまに気分転換のために料理する時お世話になっている。


「・・・お、これいいかも」


見つけたのは角煮。とても美味しそうだ、写真見てるだけで涎が出てくる。

うん、時間はかかるけど行程はそこまで複雑じゃない。これなら僕でも出来そう。


それから僕はレシピを見ながら角煮を作った。

そして、結構時間がかかったが、何とか完成した。あとは薫さん達が帰ってくるまでもっと味を染み込ませておこう。


結構時間がたったが、それでもまだ夕方だ。

一応薫さんには帰る前に連絡を入れるとは言われてるので、あとはダラダラしていよう。


「てことで、ポチッとな!」


テレビをつけ、チャンネルを回す。何局か見て見たが、今はニュースかテレビショッピングしかやってないみたいだ。残念。アニメとかやってれば時間をつぶせたかもしれないけど、ってあれ?あと少ししたら始まるな。

番組表に画面を切りかえてから気づいた、このテレビショッピングの後にアニメが始まるみたいだ。


「丁度いいし、このままにしとこうかな」


そしてそのままぼーっとテレビショッピングを眺める。どうやら次が最後の商品のようだ。


そういえばさっき何となく調べたのだけれど、この番組はテレビショッピングの中でも珍しく、若い世代からの人気も高いそうだ。前世だと、おじいちゃんおばあちゃんとか、中高年の人が多いイメージがあるから意外だった。



「さて、名残惜しいですが次が最後の商品となりました。」


司会の女性がそう切り出す。確かテレビショッピングの女帝って言われる人だ。この人が宣伝する商品は売れやすいとか何とか。

前世だと、あの甲高い声が特徴的な社長みたいな感じなのかな?


「残念です、もっともっと素敵な商品を見たいのです」


司会の言葉に

アシスタント?さんが口を挟む。にしても若いし、顔がいい。なんて人だろ?


調べて納得、アイドルだそうだ。



「最後の商品はこちら!フランスの老舗下着メーカー『ヤ・ラセロ』のネグリジェです!」

「きゃー!可愛いですぅ!しかもあの『ヤ・ラセロ』の下着だなんて!全女の子の憧れじゃないですかぁ!」

「その通り!洗練されたデザインと機能性を掛け合わせた幅広い年代に人気のブランドですね!実際、各世代の方に『好きなブランドは何ですか?』と質問したところ、10社以内には必ず名前が挙がる程です。」

「ですよね、私も大好きなブランドですぅ!」

「そんな『ヤ・ラセロ』から新商品のネグリジェのご紹介です。見てくださいこのデザイン!可愛くも扇情的ですよね」

「シースルーで可愛いですぅ!特にこれからの季節にピッタリですね!」

「そうですね、実はこのネグリジェですが、デザイナーは『ヤ・ラセロ』の長い歴史の中でも最高のデザイナーだと言われている日本人デザイナー『パコパコ』さんが担当されています!」



油断してた。テレビショッピングだから真珠のネックレスとかだと思ってたのに、

何だこのドスケべ通販は!



「実は今回このネグリジェを、アシスタントの綾ちゃんが着てくれているんですよね?」

「はい、そうなのですぅ!ちょっと待ってくださいね〜」


そう言って次の瞬間には綾と呼ばれたアイドルがストリップを始めた。すると服の下からは当たり前だが、今紹介されているネグリジェが姿を現した。

現役アイドルがいきなりストリップを始めて、ネグリジェ姿になるテレビショッピングってどんな番組やねん!



それにしても目のやり場に困る。シースルーだから丸見えだ。

上半身には形のいい丸がふたつ。大きさはCらしい。さっき見たプロフィールに載ってた。

そしてアイドルというだけあって引き締まったお腹。

下半身はスラリと伸びた足。まさに美少女という言葉を体現している。


ただ、このネグリジェ、下着・・・ショーツもセットらしいんだけど、そのショーツももれなくシースルー生地なので、本当によく見える。

こういうグラビアのお仕事も多いからなのかは分からないが、毛がないから尚更良く見える。


あー!カメラさん寄らないで!アップになんてしたら、

ショーツのシースルー生地と普通の生地の境目にアイドルの大事な所の一本線が綺麗に見えてしまうぅ。

いかんいかん!煩悩退散!煩悩退散!


「本当はモデルとして着るだけのはずだったんですけど、あまりにも可愛いので買取しちゃったですぅ!」

「気持ち、すごく分かります。これは欲しくなっちゃいますよねぇ!さて今回この番組をご覧の方に限り、通常価格39800円のところなんと!29800円でのご提供です!」

「安いのですぅ!」

「フリーダイアルは・・・」



た、耐えきったァ。テレビショッピング危険。

覚えた。



何とか気持ちを沈め、ようやく本来の目的であるアニメが始まる。

アニメなら子供向けだし、さっきみたいなことにはならないでしょ。流石に。



『前回までのあらすじ。

悪の組織によってさらわれてしまった男性達を救うため、未子葉みしよう 満子みつこ達は敵のアジトへ向かった。』



どうやら特撮ものみたいだ。



「出たわね!悪の組織『セクス・パコール』!世の男性の独占なんて許さないわ!私達にも分けなさい!」


「ふははは!よくぞノコノコやってきたものだなぁ。だがしかし、そんな要求が通るわけなかろう!さらった男達は、いつまでも私たちの欲望を満たし、私達の中に色々とぶちまけてもらうわ!」


「くっ、羨ましい!ずるい!そんなこと絶対に許せない!攫われたみんなとおちんちんは私たちが救う!そして私に溜まったものを沢山ぶちまけてもらうんだ!皆、変身よ!」

「「「「おおっ!」」」」


「「「「「キャスト・オフ!」」」」」


ヒーロー達が変身ブラを装着すると彼女達の体は光に包まれる。そして、先の口上の通り、服がキャストオフし、全裸になるのだ!

全裸になるシーンは何故か全員が際どいポーズをしているが、大人の事情に首を突っ込んではいけない。良い子のみんなは守れるはずだ。

一糸まとわぬ姿になった後、再び体が光に包まれ、今度はヒーロースーツに包まれる。

最後にヘルメットが頭を覆い、変身が完了する。


「ヤリたい!ハメたい!孕みたい!天に轟く乙女の慟哭、ヴァージン・レッド!」


「ムダ毛1本すら見逃さない、孤高の美意識!パイ〇ン・ブルー!」


「おもちゃとちん〇以外には決して屈しない!オ〇ニー・イエロー!」


「見た目で舐めないで!舐めるなら私のアソコを舐めなさい!ロリータ・グリーン!」


「沢山揉んで、吸って、弄んで!バクニュウ・ホワイト!」


「正義の心が股間を濡らす!色欲戦隊」

「「「「「オマンレンジャー!」」」」」


「覚悟しなさい!ダンコンスキー!」


「おやおや、野蛮なヒーロー共だ。良いでしょう。少し遊んであげましょう。まあ、私の元まで辿り着けたらの話ですがね」


「ヴァージン!悪の戦闘員がこんなに!!」


「完全に囲まれてるわ!」


「さあ戦闘員、シルジョユウ達よ!やってしまいなさい!」


「「「「「「「「「「「「イックゥー!!!」」」」」」」」」」」」


「くっ、皆、ヤるわよ!」


「「「「おう!」」」」


レンジャーは悪の組織の戦闘員シルジョユウ達に立ち向かっていく。


「はああああ!ヴァージンアタック!」


「「「「「イックゥー!!!」」」」」


「邪魔するな!ジカハツデンサンダー!!」


「「「「「イッチャウー!!!」」」」」


「あら、いいのそんなに固まってて?パイ〇ンスリップ!」


「「「「「「イキスギィ!!?」」」」」」


「ジドウポルノバインド!!」


「ンホオォォォォォオオオ!!!」


ブルーの魔法により、シルジョユウ達は滑って転んでしまう。そこですかさず、グリーンがシルジョユウ達を拘束する


「ホワイト、動きを止めたわ!今よ!」


「まっかせてぇ〜!」


ブルーの声に答えたホワイトが跳躍し、シルジョユウたちの頭上へ。そして


「パイズリプレス!」


「「「「「「「ナカニダシテェ!!!!」」」」」」」


「やはりシルジョユウ達程度では、あしどめにもなりませんね」


苦戦するシルジョユウ達を見下ろしながら、ダンコンスキーは呟く。


「さあ、あとは貴方だけよダンコンスキー!」


「そのようですね。約束通り、お相手しましょう!!」


「ヴァージンスラッシュ!!」


「軽い!!」


「なっ!私の一太刀が簡単に止められた!?いや、それよりもその剣!」


「ええ、あなたほどの剣士なら聞いたことがあるでしょう?これは、ボッキソードです」


「なんて禍々しいの!?それにこの剣からとてつもないエネルギーを感じる」


「さすがですね、教えて差し上げましょう。この剣は生きているのですよ。見えるでしょう、この血管が脈打つのが!」


「くっ、ちんち〇の形をした剣なんて、邪道だわ!ちん〇んは斬るものじゃない、突くものよ!」


「あなたは何を言っているんです」


本当に何を言ってるんだ


「ダンコンスキーなんて名前をしておいてち〇ちんの素晴らしさを理解していないなんて!」


「聴き捨てなりませんね、その言葉!私ほどち〇こを愛しているものはいないでしょう!これまで何十、何百と〇んこを味わってきました。無論、上の口でも下の口でも。だからこそ、究極のち〇こを手に入れる為に、この世界の全てのちん〇を私が管理するのです!!」


「何本ものち〇んちんを味わってきた?下の口で?」


「ええ」


「「「「「絶対に許さんぞー!」」」」」


「私怨混じってませんか?」


「覚悟しなさいダンコンスキー!あなたは私を完全に怒らせた!」


「逆恨みのような気もしますが、まあいいでしょう。来なさい遊んであげます」


それからレンジャーとダンコンスキーの戦いが始まった。徐々に戦いは激しさをましていくが、レンジャー達はダンコンスキーの力に徐々に押され始めた。


「ぐっ、こ、こんなに強いなんて」


「もう立つ力もほとんど残っていないでしょう。今楽にしてあげますよ」


ダンコンスキーがボッキソードを振りおろうとしたその時

何者かがダンコンスキーを攻撃した。ダンコンスキーは回避のため後ろに飛ぶ。


「戦いに水を差すなんて無粋な人ですね」


「あ、あなたは・・・!」


そこに立っていたのは一人の女性。そしてその女性は勢いよく変身ショーツを履く


「キャスト・オフ!!」


先程のレンジャー同様に変身シーンが流れる。

1人だからか、変身シーンのカメラアングルも扇情的な構図な気もする。


「静寂を切り裂く絶頂!アクメ・シルバー!」


「アクメ・シルバー、手を貸してくれるの」


「勘違いするな、私は私の目的のためあいつを倒すだけだ。利害が一致したに過ぎない」


「それでも、ありがとう」


「ふん、いくぞ!」


「ええ、みんなも!」


「「「「おおっ!!」」」」


再び戦闘へ。しかしシルバーの助力のおかげか先程と違いダンコンスキーをどんどん追い詰めていく。そして


「くっ、こんなところで、私は終わるわけにワァ!!!!」


「来るぞ!ヴァージン、あれを防げるか?」


「分からない、でもやってみる、いや、やってやる!」


「全てを貫け!シャセイキャノン!」


ダンコンスキーは超極太のレーザーを放つ。


「うぉぉおおおお!ショジョマクシールド!!」


レッドも応戦ダンコンスキーのレーザーを防ぐ。


「ば、馬鹿なッ!?何故だ、なぜ貫けぬ!!」


「決まってるでしょ、処女膜を破っていいのは〇んちんだけだァァァァァ!」


レッドが何とか防ぎきり、ダンコンスキーのレーザーが消失する


「レーザーは消えた!一気に攻撃を叩き込むぞ!」


「「「「「おう!!」」」」」


「はああああ!キムスメ連斬!!」


「〇イパンフラッシュ!」


「ディルドジャベリン!!」


「ツルペタキャノン!!!」


「乳圧メガトンプレス!!」


「シオフキスプラッシュ!!!」


「ぐ、ぐぁあああああああああ!」


敵が爆発して、戦いは終わりを告げる。



「やったねヴァージン!」


「うん、イエローもお疲れ様!」


「お姉さん疲れちゃったわ。ね?ロリちゃん」


「私の頭を胸置きにしないでくださいホワイト」


「まぁ、私達にしては今回は苦戦しましたわね。もっと優雅に倒せるようにならなくては」


「あはは、ブルーは相変わらずだねぇ。ってあれ?シルバーは?」


「あれ?さっきまでいたんだけど」


「あいつはいつもいつも」


「まあまあ、それより人質のみんなを助けに行きましょ」


「そうだね」



一同は、人質の男性たちが閉じ込められている部屋にたどり着いた。そこでは



「も、もう無理です」


「はあっ、んんっ、いいわよ、そのまま私の中に出しなさい」


「あああー!何してるのシルバー!」


「はぁ、うるさいのが来たな」


そこではシルバーが、人質の男性達と交わっていた。(とはいえ、子供も見る番組であるため、あくまでそう見える構図で撮影されているだけだが)


「まあ、いいわ、私の目的は済んだし。」


シルバーの手には精子がタップリ入った避妊具がいくつも握られていた。


「ず、ずるいよ!私達だって本当はしたいのに!」


「私には関係の無いことだわ。私は充分楽しませてもらったし、欲しいものも手に入れたし、お暇させてもらうわ」


そう言うと、シルバーの体は光の粒子になって消えた。


「ね、ねぇ!シルバーとしたんだからいいでしょ?私ともしよう!」


「も、もう勃ちません・・・」


「もー!せっかく処女卒業出来ると思ったのにーーーー!!!!」



こうして地球の平和は守られた。

ありがとうオマンレンジャー!



プツン


テレビを切って、ソファーにより深く沈む。



・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・・・・・・・・・・・・・これはひどい」

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