紅葉落つ音を知るよに開く手に重ねるふりの我が手を隠す
落ちてくる紅葉の葉っぱを手を広げて受け止める人。
君はまるで、紅葉の葉っぱの落ちる音を聞いて、知っていたかのようで。
その手に自分の手を重ねて、つなぐことができたらと、そっと重ねるふりをしている。
……そんなふうに考えてしまう自分の手を、隠す。
並んで歩いているのに、手はつなげない、つながない。
せめて、手を重ねるふりだけ。
ただ、それだけだから。
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