え?うち?うちは転校生~そして、きみとのフランス的な宇宙的な癒しの時空間

ヤッキムン

ボンジュ〜ル

 「ボンジュ〜ル!はじめまして~!葉月さん!今日から、よろしくね~」

 うちは、うしろの席の、可愛い女子に声をかけてみたよ。

 パリの小学校の同じクラスに日本人っぽい女の子。


 「よろしくね~、白熊さん!」

 うわっ、声もめっちゃ可愛い。なんだか、めっちゃ澄みわたる声。宇宙的な。


 「窓際の席って、いいよね~」

 うちは、葉月さんの可愛い目を見つめながら言ってみた。

 

 「それな~」

 うわっ、それな〜だって。可愛い。



 「ところで葉月さんの、葉月って、どういう意味だっけ?」

 うちは、さりげな〜く、葉月さんの苗字についてをたずねてみた。

 パリの小学校の、同じ日本人の同級生だから、とりあえず、まず日本人の苗字から入ってみたよ。

 

 「8月のことだよ~」

 窓からの風に、葉月さんの髪の毛も、可愛くなびいてる。


 「あ、そっかそっか!8月のことだったよね!でも、なんで、8月を葉月って言うの?」

 うちは、素朴な疑問を葉月さんに、ぶつけてみた。

 

 「旧暦の8月っていうのはね〜っ、秋の始まりの季節なんだよ。だからねっ、葉っぱの落ちはじめる月なんだ!それで、葉月っていうらしいよ~」


 「さすが葉月さん!詳しい!」

 「あはは...」


 「あははづき...」

 「え?」


 「...いえ、なんでも...」

 「あははづきって今、言いました?」


 「うっしっし...」

 「うっしっしらくまさん」


 「それはそうと、そんなことより、前の学校に、名前で葉月ちゃんっていう子、いたよ~」

 「葉月って、名前も苗字も、どっちもあるみたいなんだよね~」


 「うちの白熊は、さすがに名前の子は、いないみたいだけどね~」

 「いや、いるかもよ~」


 「どこかに、ひとりくらいは?」

 「熊っていう名前の子なら、いるかも」


 「熊ちゃん...いるかな〜?どっかに」

 「虎ちゃんとか龍ちゃんって名前の子なら知ってるよー」


 「熊ちゃん」

 「白熊熊ちゃん...」


 「うちの名前は、あやなだよーっ」

 「あやなっち!」


 「じゃあ、はなっち!」

 「決まりー!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る