星の調べ

星野奏

第1話私の生まれ

私、星野奏が生まれるきっかけとなったのがある小説家の方のおかげでした。

思い出せばあれは約三年前私が中学三年生の時でした。

周りから頭がよく思われたい、気になる子が本が好きだったからと不純な動機で受験期なのにも関わらず私は書店で一冊の本を手に取りました。

あわよくば夏休みの読書感想文にしてやろうとも考えていました。

初めてちゃんと読んだ小説は滑り込むように私の感情とリンクしました。

タイトルと著者名は伏せますが、ある病気の少女とその少女の写真を撮る少年の話でした。

最初は恋愛ものをあまり読んだことが無いのに加えて思春期ということもあり少しむず痒い気分でもありました。

ですが読み進める手は止まらず、少女の少年の心情の移り変わりが手に取るようにわかりその度に私も感情が動かされました。

初めて読んだ小説で初めての涙を流すこととなるとは当時の私は知る由もなかったでしょう。

小説はなんてすごいのだろうと思った私は様々な小説にのめり込むことになるのでした。

私はX(旧Twitter)でタイトルをつけて、感想を当時の拙い語彙で文字数いっぱいまで書いて投稿したのを覚えています。

その投稿にご本人様から頂いたコメントは今の私がここで筆を走らせる原動力となっています。

その方の様な名前にしようと画策した私はおこがましくも少し似たような名前を名乗るようになりました。

でも目指した星は程遠く、たまに私が描いた世界は誰かにとって必要なのもなのかと思ってしまうこともありますが、原点を忘れずに今後も活動を続けていこうと思います。

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