学校の闇

ある地方の小さな学校には、長い間忘れ去られた「地下室」がありました。学校の古い建物の一部で、普段は施錠されていて、誰も近づこうとはしませんでした。噂によれば、その地下室には、かつての生徒が行方不明になったという恐ろしい過去があると言われていました。


ある日、新しい転校生のDくんは、友人たちと一緒にその地下室の噂を聞きつけ、肝試しをすることに決めました。彼らは放課後、学校が閉まった後に忍び込み、地下室の扉を開けることにしました。扉は古びていて、ギシギシと音を立てながら開きました。


地下室は薄暗く、湿った空気が漂っていました。壁には古い落書きがあり、何か不気味な雰囲気が漂っています。Dくんたちは懐中電灯を持って、恐る恐る中に入っていきました。すると、突然、冷たい風が吹き抜け、懐中電灯の光が揺らぎました。


その時、彼らは何かの気配を感じました。Dくんが振り返ると、そこには白い影が立っていました。影は無表情で、じっと彼らを見つめています。友人たちは恐怖で声を上げ、逃げ出そうとしましたが、地下室の扉は閉まってしまっていました。


影はゆっくりと近づいてきました。Dくんはその影がかつて行方不明になった生徒の霊だと気づきました。彼はその生徒が何を求めているのかを理解しようとしました。「何があったの?」と問いかけると、影は指を指し、地下室の奥へと導くように動きました。


Dくんは友人たちと共に影の後を追い、奥の部屋にたどり着きました。

奥の部屋には何も見えない真っ暗な空間がありました。 懐中電灯で照らしても何も見えないのです。するとそこからみどりがかった手が出てきました。それに掴まれたのと同時にDくんの意識は失われました。


その後、その学校では行方不明になった生徒の遺体が発見されましたが、Dくんとその友人はどこにもおらず、奥の部屋の黒い空間も無くなっていました。

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