【木曜 08:05】転校から2年もボッチだった子と

少し復活したエアコン

第1話

 隣の席の春さんは転校してから2年経つが完全にボッチだ。


 「・・・」

 

 可哀想・・・



クラスメイトは決して彼女を虐めている訳じゃない。単純にどう話したいいか分からないんだ。


 「よし、俺やるわ」


「マジで行く?」


 「うん」


そして、俺は覚悟を決めた。当たって砕けろ、


 「ねぇ春さんってアニメとか好きかな?」


「え、あ、あのあのの」


 急にビビられせてしまってごめんね。


 でも、流石に一度くらいはいいよね。


 ちなみにクラスメイトには事前に俺を見ないようにお願いしている。


 「・・・す、好きです」


よし!!というかアニメ好き??


 「え、どんなの?」


「・・・あ、その、ーーが好きで」


よし、情報通り、実はこれはクラスメイトがアニメを見ている瞬間の目撃情報を教えてもらった。


 「えーマジで!!実はさぁ、そのアニメファン感謝祭やるんだよ!!一緒に行かない?」


周りから見たら、かなりイカれてるし、やばいと思う。一度も話したことがない女子に急に一緒にイベントに行こうと誘う俺・・・


 だけど、アニメ好き?程度では好き人探しだけくらいと思われてしまう。


 ここはおす。おすんだ。(クラスメイトにも計画を報告済み)


「・・・・・・・い、いきます」


「本当にじゃあ!行こうか!!」


こうして、みんなから隠れて見守られながら、クラスメイトの恥できっかけを作った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る