断章 新たな愉しみ
『天界』…白亜の城の玉座にて。
「報告は以上です。」
「…ご苦労様。下がってもいいよ。」
「は…しかし。」
指で絵を描くのをやめて、じっと私を観察するように見据えてから…笑みを浮かべた。
「妾に天使、計499機。神を149柱も失わせた無能だと罵って欲しいのか?それとも相応の罰が欲しいのか…ぷぷっ。健気だよね。」
「…っ、『裁定神』様は無能なんかじゃ…」
気がつけば、座っていた『混沌神』バリラ様は隣にいた『座天使』プラネの首元に指を突きつけていた。
「自分を顧みてから発言してよね…道具。よかったね。偶然、妾の機嫌がよくて。」
「……ぅ。」
「玉座内での殺生はご遠慮して頂きたい。『混沌神』バリラ様。」
「あくまで戯れだよ。本気になるなって…それに、下がってもいいって妾が言ったのに、下がらないエクレールも悪いよね?」
私は反論する事なく、『座天使』プラネの手を取って、ニヤニヤ顔を浮かべた『混沌神』バリラ様がいる玉座を後にした。
1人になったバリラは玉座に座り、衝動のままに様々な絵の具が付着したパレットをさっきまで『天界』の美しい風景を描いていたキャンパスに向かって思いっきり押し付けて粉々に砕く。
「はぁ〜このワクワク感…ナカラを殺した時以来だよ。帝国…帝国ねぇ。ぐちゃぐちゃにするのが今から待ち遠しいよ…ま。暫くは情報収集がてら適当な神を派遣して…ふふふ。妾がやるからには、完全勝利以外…ありえないよね♪」
そう呟いて、『天界』の美しく…内心、反吐が出る空を眺めていると何処からか突然、放送が流れて来て…それを聞いた彼女は、楽しそうに嗤うのだった。
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