幸せの花

彩音

第1話 終わりとはじまり

ねぇ、蓮くん。

私はあなたとの約束を守れたよ。あなたが望んだ未来を私はちゃんと歩めているのかな…


「紗璦、お願いがあるんだ。俺の分まで幸せになってほしい。紗璦は、別の…俺なんかよりも良い人と結婚して子供産んで…あったかい家族作ってそんで……。幸せで笑顔いっぱいの紗璦を見せて…。」


「…本当は紗璦の隣には俺がいたいんだけど。俺、弱くてごめん。」


「紗璦、笑って……。うん、紗璦にはこれが似合う。」


「俺を…幸せにしてくれて、ありがとう」


「……紗璦、愛してる」


君が最期にくれた言葉を私は忘れない。あの言葉を思い出すたびに涙が溢れ出す。泣かないって決めたのにどうしても溢れてくる。私は、もうどうしようも無いくらい君が好きで、君の婚約者だったから。


「蓮くん、君が幸せでありますように」


そう願いながら、私は優翔と永遠の愛を誓った。そう、私たちは結婚する。


あの物語は終わり、そして新しい物語が今、はじまる。

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