SPEED.23 修羅場
部屋に戻った俺は菜々子を前に正座をしている。
「どこ行ってたの?」
「……」
「どこ行ってたの!」
「風呂」
「はぁ?」
「私も一緒に行きたかったのに」
「なんで1人で行っちゃうの?一緒に行けばよかったでしょ?」
「うん…」
「埋め合わせで一緒に寝よ」
「いや、シングルベッドじゃんこれ」
「空いてるよここ」
「いや用意してるんかい」
俺は菜々子に従って一緒に眠りについた。
朝になり、朝食をとってホテルをチェックアウトした。
「今日は地球岬に行くけどその前に行きたいところとかあるか?」
「なんか苫小牧のイオンが大きいらしいよ」
「幕張のイオンの方がおおきくね?」
「張り合うな」
それぞれ車に乗り込み、ナビ担当の柚菜について行く。
R34GT-R Z-tune、R34GT-R V-specⅡ、997GT3RSという順番だ。
車好きからしてみればとんでもない車列だと思う。
2時間ほど走ると例の苫小牧イオンとやらが目の前に見えた。
結構大きいが、幕張新都心のイオンには負けている。まあそんなことはいいが、駐車場でぶつけられないポイントはあるだろうか。なかったら俺はどこに停めればいいのか。
クルマを停め、中に入ると結構大きいことに気づく。
「結構大きいなこれ」
「とりあえずスタバ買お」
2人でスタバを買って歩きながら飲む。
「なんか駿ちゃんキャラメルフラペチーノって可愛いね」
「え、なんで?」
「子供っぽいから?」
「いや、なんでやねんってあれゲーセンじゃね?クレゲやろ」
「もー、待ってよ〜」
俺はゲーセンに飛び込んだ。
クレーンゲームがたくさんあって乱獲することに成功した。
そしてイオンを後にした俺たちは苫小牧の市内を走る。海が近いので浜風が気持ちいい。
その後登別温泉に向かった。
今日泊まるのはホテルまほろばである。
予約変更をして2人部屋となり、菜々子と泊まることになった。
なんとその部屋は自分のクルマが見えるのだ。これはクルマを大事にしている人からすれば盗難被害に遭う確率が減るので、とても嬉しく喜ばしいことである。
この部屋神だ。
俺は闇に輝く自分のクルマを見つめていた。
「何自分のクルマばっか見てんの?」
「いや、やっぱ34はかっこいいなと思ってさ」
「そうなの」
これは3年くらい前の話であるが、今乗ってる34と同じ型式のライトチューン仕様に乗ったことがあった。父の知人が経営しているショップの販売車であり、完全にチューンされたら公式オンラインページで販売すると言っていた。
「ちょっとこれ乗ってみてくれよ」
「いいんですか?」
「ああ、頼むよ」
吹け上がりもよく、しっかりと四輪が地面を掴んで走っている。そして俺はこの瞬間思った。このクルマなら俺の考える理想的なチューンができるかもしれないと。
父の知人の山下さんは言った。
「GT-Rっていうクルマは不思議なもんでチューンを重ねれば重ねるほど速くなる。これはどのクルマでも当たり前かもしれないけど、ちゃんと向き合えば彼らも応えてくれる、だから俺はスカイラインGT-R専門のチューナーになったんだ」
そう言っていたのを思い出した。山下さんのその想いとGT-Rに対する熱量を感じて、
俺はGT-Rを主に扱うチューニングショップを開いたんだ!!
「何1人でべらべら語ってんだ?GT-Rに対する熱量はわかったけど、私に対する愛情は?」
「ない!!」
「『ない!!』じゃねー!はっきりゆうなバカヤロー」
俺らの大騒ぎは夜な夜な続いた。
「だ、誰かー助けてくれー!!」
真夜中に俺は奴に襲われ2日目が終了したのだった…。
北海道旅行3日目は札幌の中心部へ戻ってきた。
今日はこの札幌市教育文化会館小ホールで行われる高校演劇を観に来た。
いろんな高校があるが、どの高校も面白そうである。
今日は6校のうち3校を観ることに決めた。
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