4.砂時計

砂時計を回転させたからと言って 何かを始めようという訳ではない

まして 何かを終えた後という事でもないのだから

僕は 砂時計を再び手に持ち直し 何かを始めるだろう

と同時に 何かを終わらせるかもしれない まだわからない

わかるまで砂は出しておこう そうして 零れ落ちた砂と一緒に

僕が踏みにじったものは 時間という世界

それは 大相大きいものだろうか それとも 小さいだろうか

小さくなるまで それ以上になるまで 踏みにじった所為で

もう 跡形もないよ だから きっと 跡形もない砂の下にある物質は

又は 例えてみれば世界というものは 終わってしまったのだ

だが やはり 同時に時間という世界は

距離にしてそんなにはない高さから落ちたそれは 終わり

踏みにじられたお蔭で 始まったのだ

犠牲を出したとするなら 同じ時間という世界

僕を個と呼ぶように 同じなのだけれども違う時間という世界が

一体 何をややこしくしたのか 誰に疑問を持たせるのか

僕にはわからない 空の砂時計を回転させたからと言って

何も始まらない訳ではないし 何かを終えた後 そうしても構わない

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