ゆるゆるまったり

パンダ特派員

第1話 気分て変わる

なんだろう、諦めたのか。


毎日毎日、過去の失敗を後悔しながら、そのことばかり考えて、鬱々していた。


やること山積みで、締切いくつも抱えて。自転車操業さえ出来なくなっていた。


今朝突然、不思議な心境の変化が起きた。ああもうどうしようもないんだな、って、なぁんにも考えられなくなっていた。


これ以上はまずいっていうくらい速かった脈が落ち着いている。体も軽い。


体温を超えるような、うだるような暑さがおさまったせいか。


消したら大騒ぎになる子どものアラームで目が覚めて、本人はぐっすり眠り込んでるのを、起こすと騒いで余計に疲れるから、三十分聞き続けた。優秀なアラーム機能だ。起きるまで鳴り続けてくれるのだから。


それでも起きない、ほぼ徹夜で勉強してた子供を起こしたら、再三確認した夏休みの宿題がまだ終わっていないのだと言う。


出掛ける支度を手伝って、宿題も手伝って、いつもなら物凄いストレスなのが、今朝は不思議と何も感じず。


むしろおかしな気分だった。


あー、これはもしかして、全くきっかけはないのにこんな穏やかな気分になってるってことは、達観した、はずはないので、考える力がパンクしなんだなって思った。


まったり暮らすのが好きなパンダに戻っていた。


人間として生きていくのは疲れる。パンダとしてまったり生きていくのが楽だ。


鬱な気分がハイになったわけじゃないので、楽しー、ってことにはなっていないが、まったり気分に変わったのは良かった。








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