第2話錆び臭きブランコ寂し夕日《せきじつ》に 戯れたるは赤蜻蛉のみ

錆び臭きブランコ寂し夕日せきじつに 戯れたるは赤蜻蛉のみ


 小学生の頃によく遊んだ公園。

 当時は、訪れる子供たちが多く、中でもブランコは人気が高くよく順番待ちをしていました。

 中学入学時の引っ越しを機に、訪れることはなかったのですが

 それから幾年もの時が流れたとき。

 大人になった(まだ若かった)私は、その近くに用事がありついでに公園にも寄ってみました。

 すると、夕方だったこともあるのでしょうか。

 子供たちの姿は、殆どなく公園の隅の方に数人ほどだけ。

 あのブランコも空っぽで錆臭さだけが、強く印象に残りました。

 何だか寂しくて…

 ただそこには、赤蜻蛉の群れが夕日の中を飛び交っていました。

 赤蜻蛉で詠いたいなあと考えていたら、その時の情景が蘇りました。

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