《二章 【死神】の異名を持つ者》
「てっきり船で行くと思ってたのだけれど、まさか列車とはねぇ」
窓の外の過ぎ行く景色を部屋の中で眺めながら、私はそう呟いた。
「船は移動中の安全性は高い一方、時間がかかるし、それと値が張るからな。流石に依頼料で賄えなくなる」
結構シビアなのよね、この仕事。給料も他のに比べたら高いけど、そこまでってわけじゃないし、副業でも始めようかしら?
「我々の依頼は料金を決めた後で行いますから、予算内で行う必要がありますもんね。それでも、今回は国からの依頼ということもあって、結構な金額のお金はもらえましたが」
依頼によって収入が変化するこの仕事だが、お金持ちの人の依頼の時は結構報酬がもらえるので意外といい仕事なのかもしれない。むしろインペルの言う通り、今回は国からの依頼のため、こうやって列車の上のクラスの部屋を取ることができた。これが仕事っていうのだから、やっぱり最高ね。
「まぁ、たまにはこういう旅もいいわね。景色も街とは違って自然ばっかりだし、何かリラックスできるわ」
「一応依頼だからな?それよりも、お前は家族のことが心配じゃないのか?」
私があまり家族を心配していないことが気になったルーグナーがそう聞いてきた。
「まぁ、そうね。だってうちの両親、強いんだもの」
「確か、二人とも騎士団に入ってるんだったか?」
そう、私の父と母は元々騎士団に入っていた。それも、結構上の方らしい。父は今でも続けているみたいだけど、母はもう辞めているのよね。
「いや、今は父だけよ。騎士団長をやってたはず。でも、建国祭の準備で忙しいでしょうね」
「ですが、ルナのお母様は確か、ローラ・カルディアでしたよね。元騎士団長であり、【死神】という異名がついた、最恐の戦乙女。その人がいれば、今回の事件も簡単に解決できるのではないですか?」
インペルが私に母のことを聞いてきた。
私の母、ローラはこの国でも有名だ。インペルの言うように、元騎士団長という立場にあった人が弱いわけがない。その頃の母であれば、今回の事態も一人で収集がつけられたかもしれない。というか、ほぼ確実にできる。
だが────
「────無理ね。昔、
ちなみにだが、私の戦闘スキルは父と母から教わった。その時に感じたことなのだが、母は強い。ただ、走り回ったりができなくなって、以前のようには戦えなくなったと言っていた。それでも強いが、流石に一人で問題を解決するような力はないだろう。
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