目覚めたら猫耳⁉ ~異世界召喚でアイドル級猫耳メイド魔法使い⁉に大変身!~

INASAKU6

第1話 猫耳、目覚める⁉ 異世界召喚でアイドルに!

 目を覚ました瞬間、リリカは自分がどこにいるのかまったくわからなかった。視界に映るのは、見慣れない天井と豪華なシャンデリア。部屋中には高価そうな調度品が並び、絵画や花の装飾が美しく施されている。ベッドはふかふかで、シルクのシーツが肌に優しく触れる。ここはまるでお姫様が住んでいるような部屋だ。でも、リリカにはこの場所に見覚えがない。


 昨日のことを思い出そうとする。リリカは普通に学校に行って、友達と他愛もない話をして、バイトして、帰りにコンビニでお菓子を買って、家でのんびりして、そして普通に寝たはずだった。特に変わったことなんて何もなかったのに。


「えっ、ここどこ?」


 リリカはベッドから飛び起きると、自分の姿を見て驚愕した。いつもの制服姿ではない。柔らかな生地のメイド服を身にまとい、エプロンには可愛らしいフリルがついている。だが、それだけではなかった。鏡を覗き込むと、頭にはまるでコスプレでもしているかのようなフワフワの猫耳が生えていた。


「え、嘘でしょ?これ、本物?」


 鏡に映る自分の姿に驚きながら、リリカは恐る恐る猫耳に手を伸ばす。耳を触るとピクッと動き、その感触は確かに本物だとリリカに確信させる。こんなこと現実にあり得るのか。夢なのか、現実なのか、リリカにはわからなかった。彼女は何度も頬をつねってみたが、痛みは現実を突きつける。


「どうしてこんなことに…」


 混乱するリリカの心に、さらに追い打ちをかけるように、部屋のドアが静かに開いた。入ってきたのは、銀髪で甲冑に身を包んだ騎士風の男性だった。彼は落ち着いた表情で、リリカに向かって軽く一礼をする。


「お目覚めですか、リリカ様。私はレオン、あなたの護衛騎士です。」


「えっ、護衛? って、レオンさん? どういうこと、ここどこなの?」


 リリカの頭はパニック寸前だった。レオンと名乗る男性は、まるでリリカが質問するのを予測していたかのように、微笑んで答えた。


「ここはエルフェリア王国、あなたは異世界から召喚されました。この世界で猫耳メイド魔法使いとして、特別な力を持つ存在です。皆、あなたをお待ちしています。」


「召喚? 異世界? 特別な力って、何それ…」


 リリカはレオンの言葉に呆然とするばかりだった。これが夢であればどんなに良かったか。だが、目の前の光景はあまりにリアルで、現実味を帯びている。彼女の心は焦りと不安でいっぱいになったが、レオンの穏やかな態度に少しだけ安心感を覚えた。


「まあ、混乱するのも無理はありません。まずはゆっくり落ち着いてください。リリカ様のことは王宮の者たちも知っておりますし、これからの活動についてはしっかりサポートさせていただきます。さあ、こちらへ。」


 レオンはリリカを部屋の外へと促す。廊下に出ると、そこにはまるで王宮のような広大な空間が広がっていた。壁には豪華なタペストリーが掛けられ、床には美しい赤い絨毯が敷かれている。リリカは信じられない思いで辺りを見回した。


「アイドル活動を通じて、リリカ様はこの世界を救う存在となるでしょう。」


「アイドル…活動?」


 リリカは耳を疑った。アイドルといえば、華やかで憧れの存在。それを自分が異世界でやるなんて、全く想像もしていなかった。レオンはリリカの戸惑いをよそに、にこやかに微笑んでいる。


「ええ、アイドルはこの世界で特別な役割を持っています。人々に希望を与え、そして魔法の力を強める存在です。リリカ様は猫耳メイド魔法使いとして、その素質を持っていますから、きっとすぐに人気者になれるでしょう。」


「そ、そんな…私は普通の高校生で、アイドルなんて無理!」


 リリカは思わず叫んだが、レオンは優しく彼女の肩に手を置いた。


「大丈夫です。あなたには素晴らしい力があります。それに、あなたはもうこの世界に必要な存在です。」


 リリカの心はまだ混乱していたが、レオンの言葉にはどこか説得力があった。彼の導きに従い、リリカは少しずつ異世界での新しい自分を受け入れようとしていた。


 異世界召喚で人生大逆転!リリカの波乱万丈な冒険とアイドル活動は、今ここから始まる――。


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