本編への応援コメント
終わりゆく世界での日常を切り抜いたような展開の中、描写の美しさが際立っていました。
この世の全てを知り尽くす眼に映る不都合。予知を以てして吉井老人が最後に見たものが、深い哀愁と倦怠ではなく、感動であったことだけが救いなのでしょうか。
直にやってくる残酷な終わりを前に、彼は、少年は、誰とどうやって最期を迎えるのでしょうか。精緻な文章の中に想像の余地が多く残されている点が良かったです。
作者からの返信
読んでいただきありがとうございました。
この小説自体、書いたのは1年ほど前ですから、当時僕が何を思っていたかは分かりません。
それでも、良かったと言っていただけて嬉しいです。
本編への応援コメント
変えられない不幸を予知する。これは確かに呪い以外のなにものでもないです。
『もはや未来は過去』という言葉が、まさに山のごとく不動の悲観さを感じさせます。
少年のためにもこれが吉井氏の妄想であって欲しい。
しかし同じ空を見ても、彼には侵略者の影が、そして純朴な少年の目には綺麗な夕陽が。そこでやっと普通の美しい空を見る事が出来た彼。
望まれざるラストなのに不快も虚しさも湧かず、ただ悠久の終わりが彩りのある光景として刻まれ、彼の呪いが解けることが救いです。
作者からの返信
死をもって呪いを断ち切るとは、我ながら少々残酷だったかもしれないです。
でも世の中、上手くいかないことのほうが多いもので、不条理な方が逆に現実味を帯びると思います。
カルトに入るみたく、行き場のない人間が行き着く先が「死」というなら、最後に吉井が救われて良かったです。
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今思えば、僕は「死」の概念についてショーペンハウアー(ショウペンハウエル)から影響を受けているかもしれません。
彼の著作を読んだのはだいぶ前なのですが。