向かい合わせ

私達は二人で一人だった


一つの文明が誕生し滅びるのを何度も見てきた

それほど果てしなく長い時を一緒に過ごした


二人でずっと守ってきた均衡

何故それを破ろうとするの


今になってどうして


理由なんか聞きたくない

知りたくもない


どうしても破ると言うなら

この場を離れると言うのなら



私の手で壊してあげる



血塗れで動かなくなった片割れ

それを見つめながら

同じく動かず倒れる血塗れの片割れ


二人一緒に永遠に

決して破られる事のない均衡を

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