自転車に乗って

子供の頃に練習はしたよ

別に途中で投げ出したわけじゃないけど

結局乗れないまま今に至ってる


そんな私を後ろに乗せて走りたいなんて

君は相当変わってると思う

乗せられる私は結構怖いんだけど


安全運転で走るから大丈夫だと言いながら

なんだか楽しげに私を後ろに乗せ走り出した


走り出すと怖かったのは最初だけで

風を感じたり景色が変わる事に何故か感動した

私のトラウマをこんなにも簡単に拭い去るなんて


当たり前だけど歩くのとは全然違うね

君の背をつかんでぼんやり考えてたら

だいぶ遠くまで走ってきている事に気付く


帰りがあるの忘れてないかな


私を乗せたいと言ったのは君だからね

家に帰るまで責任はちゃんと果たしてよ


私は練習していたあの日の事故で

両足が不自由なんだからね

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