太陽

太陽とは縁のない生活をしている


この街はどういう原理か常に夜なのだ

朝が来て昼になっても太陽は昇ってこない


月なら出ているがね

その月も太陽が無いと静かに光らない

と言う事は多少の縁はあるのか


街から出れば太陽が昇り沈むのを見られるが

生憎私はこの街が好きでね

余程の用事がない限り外へは行かない


灯りは月明かりと蝋燭で事が足りる

私の研究は勿論

料理も読書も問題なくできるし

この街の婦人方は編み物や縫い物も得意ときた


外が暗いだけで常に静かな街

賑わっていないわけではないんだがな


太陽の代わりに月が常にある街



実に不思議で私には住みやすいところだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る