おしりふき。


 秋きたるらし

 野辺に遊ぶ子らの

 笑顔に盗人萩纏いて

 苦笑う母達の

 おしりふきでぬぐう知恵の尊さよ


 満月を見送り

 間もなく木々は葉を散らす

 その身を乾かし

 段ボール色に染めて

 アスファルトの上に砕け散る


 我の手にもまたおしりふき

 フロントガラスに落ちた鳥の糞をぬぐう

 未だ思い込みの域を出ぬ我の活用よ

 

 秋間もなく去りぬ

 一枚上着を足した子らの

 口には焼き芋のこびりつきて

 苦笑う母達は

 おしりふきで其をぬぐう実の強さよ


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