積み重ねた。
編み物というものは
一目一目を積み重ねたもので
あるいはそれを増やしたり
ときに減らしたりもする
わざと穴をあけることもあれば
みっつも増やしてカーブを描いたり
果ては立体に仕立て上げたりもする
小さな小さな一目たちが
なんらかのユニットとして集まり
さらにその集合となって模様となる
物語のように
ひとつひとつの文字の積み重ねでしか
全体を形作ることはできない
今日も一目の積み重ねを
日々の喜びと溜め息を
見ているような見ていないような目で
半ば全自動で一本の糸で編み上げてゆく
そして命にまとう
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