葉っぱのるるりら。


 みずいろ、だいだい、光がふちどる雲と雲。

 日がしずむ。

 自転車がたがた、水筒前かごで飛びはねて、

 ららら、台風の残り風とダンス。


 季節が終わる。

 いつでもそれはそう。

 日毎夜毎にほんとうは、

 時が死んでいる。


 夕飯のにおい。

 よそのご家庭の幸せのにおい。

 僕には無縁の体感。

 ららら、台風の残り風とダンス。


 今日が終わる。

 空より先に人が闇に沈む。

 日毎夜毎にほんとうは、

 僕が死んでいる。


 葉っぱのるるりら。

 突風と共に僕の顔を殴る。

 僕を殺すように、視界を奪うから、

 自転車に急ブレーキをかけた。

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