ABYSSの箱庭~新人類ネフィス達はその遺伝子強化された頭脳と戦闘能力を駆使し、絶望の島からの脱出を目指す~
あくがりたる
新人類《ネフィス》の誕生
序章 新世
「もはや病に苦しみ、死の恐怖に怯える我々は旧人類である」
日本の天才遺伝学者である
彼の言葉が真実なら、ネフィスという人類は遺伝子改良により完全に病を克服した存在で、試験的に生み出された第1期ネフィスの5名は、経過観察期間である出生後10年間、一切の病に罹らず、訪れる死は安らかな老衰のみ。
さらに、容姿も知能も運動能力も自在に調整が可能で驚異的な自然治癒能力まで備えた特性を持ち、まさに人類が夢見た理想の進化の具現化である。
この世紀の大発明に、世界中の人々は歓喜の声を上げた。未来への希望に満ちた彼らは、
ネフィスの技術が世界にも徐々に浸透してきた頃、
順調だったネフィスの発展は、ここから暗雲が立ち込める。
外傷もなければ当然病でもない。死因は“老衰”だった。
この事実をしばらくの間隠蔽していた
責任の重さに耐え切れなくなった
指導者を失ったフォーミュラは、信用も権威も失い、研究員達も次々に逃亡し崩壊寸前の危機に瀕した。
しかし、
「ネフィスの延命治療法を発見しました」
そのまさかの発表に、憎悪と絶望に包まれていた世界の人々は驚愕。失意のどん底に叩き落とされていた人々はフォーミュラの動きに一縷の望みを託し、再び注目する事となる。
続けて
世界で最もネフィスを生み出していた日本から複数名のネフィスを選出し、フォーミュラの治療施設へと招待した。
しかし、施設に足を運んだネフィス達は今も家族や友人、恋人の元へ帰って来てはいない。
その静寂の背後には、かすかに渦巻く陰謀の影が潜んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます