愛という国(物語詩)12編の中の1編※長文苦手な方は無理されずに!
愛という言葉がある。愛という国がある。愛の国はハートの形をしており、対になる言葉は無関心かもしれな。誰もが愛という言葉について深く考え行動している。この国を訪れた者たちの反応は様々であるが、ぶつかり合ったとしても分かり合えるという事を、重んじているのだと思うそうだ。相互理解の上で大事な事があるとしたら、関心を持つという事なのかもしれない。深く物事をとらえたうえで、行動されていく事、言動にしても同じことだと言えるのかもしれない。これは愛についてのお話である。
これは長身の三十代くらい男性と七歳くらいの女の子との会話である。
「愛についてアイさんはどう思いますか?」
「小父様のいう愛という言語自体に成り立ちがあるとしたら、古くからある言葉の中では注目されてきた言葉であると同時に、対になる言葉が見当たらないとされているわ。無関心でさえ違うのではないかと考えています」
男性はにこにこ笑いながら女の子が知覚している愛について興味を抱き始める。七歳でこの情報量を大人と話すという事に、他国では驚かれる点でもある。
「小父様の考える愛とは何ですか?」
「愛という言葉は他者を重んじると同時に自分自身も重んじる事だと今は思っているよ。それが憎しみになったとしても、抱く感情をどう昇華させるかでしかないんだとおもうが、貴女の言う無関心でさえ違うのではないのか?という考えに対して同意しますし、私は新しい言語を生み出し、愛の対義語を作っていいと思っているよ」
「言語化されていない事だからこそだと私は考えています。言語化だけが全てではないけれど、小父様の言う新しい言語について凄く興味がありますので、お話を続けても宜しいでしょうか?」
小父様はにこりと笑い、少女に頭を下げた。対等もしくは教授いただく側としての礼節であるのかもしれな。
「私は愛の対義語は、無愛で良いと思うのだけれども、愛が無い存在というのは。愛を与えられなかった孤立した状態で生きてきた人だと私は思います。この国ではありえない事ですし、他国も同様だと私は思うんです。孤立して独りぼっちで育ち続けた人なんてこの世にはいないと思うんです。無愛は成り立つようで成り立たないだからこそ言語化できない事象なのだと思うのです」
深く男性は何度も頷き、少女の考えを深考している。
「君の言う無愛はとても興味深くとらえられた。この世界で関わり合いのない人が居るとしたら言語化すらもできないからね?うーあーだけで通じ合えるわけではないからこそ」
「「愛は難しいのかもしれない」」
「小父様は愛のカタチについてどう思いますか?」
「丁寧に繰り返し織られた織物や、指輪そして癖のない折り方で織られた折り紙の鶴だと思うよ。アイさんはどう思いますか?」
「私はカタチについて思うのです。どのような形であれその人だけの愛なのだと思います。だから美しさだけが全ては無いと思います。美醜は、問わないという事です」
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