冒険280.デプスの『本気』(後編)
===== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
一ノ瀬[橘]なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。
久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。
増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。
馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。
高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。副隊長。
馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。
大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。
田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。
浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。
新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。副隊長。
結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。
安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。
稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。
愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。
青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。
工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向の巡査部長。。
伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。
葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。
越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。
小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。
飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。
財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。
仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。
七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。
大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。
高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。
青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。
馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。
久保田嘉三管理官・・・警視庁管理官。伝子をEITOにスカウトした。EITO前司令官。
愛宕[白藤]みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。EITO副隊長。
愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。
斉藤長一郎理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目房之助警視正・・・EITO副司令官。夏目リサーチを経営している。EITO副司令官。
筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁からEITO出向の警部。伝子の同級生。
原田正三警部・・・新宿風俗担当の潜入捜査官だったが、EITO出向。
永井哲朗巡査部長・・・警視庁サイバーセキュリティ班からEITO出向。
渡伸也一曹・・・EITOの自衛官チーム。GPSほか自衛隊のシステム担当。
草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。
高峰圭二・・・元警視庁巡査部長。みちるの義兄。警察を退職後、警備員をしている。
南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。高校の国語教師だったが、今は妻の文子と学習塾を経営している。
依田俊介・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。あだ名は「ヨーダ」。宅配便ヤマトネのドライバーだったが、今は、やすらぎほのかホテル支配人。
依田[小田]慶子・・・ホテル社長の姪。依田と結婚。やすらぎほのかホテル副支配人。
福本英二・・・伝子の大学の翻訳部の後輩。高遠学と同学年。大学は中退して演劇の道に進む。今は、建築事務所準社員。
福本[鈴木]祥子・・・福本が「かつていた」劇団の仲間。後に福本と結婚する。
松下宗一郎・・・福本の元劇団仲間。
服部源一郎・・・伝子の高校のコーラス部後輩。
服部[麻宮]コウ・・・服部と見合い結婚。
早乙女藍・・・元白バイ隊隊長。EITOに出向していたが,娘の轢き逃げ以降、退職していたが、EITOに就職。
市橋早苗・・・移民党総裁。内閣総理大臣。
麻生島太郎・・・移民党副総裁。副総理。
志田前総理・・・移民党前総理。
大泉元総理・・・移民党元総理。
野口元総理・・・政権交代時の違憲異種党総理。
姿元総理・・・移民党元総理。
玉井静雄・・・コスプレ衣装店ヒロインズ店長。みちるに、執事のように仕えている。
池上葉子・・・池上病院院長。学の卓球部後輩彰の母親。彰は他界している。
河村善子・・・国賓館SP隊隊長。柔道が得意。
中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室勤務。
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。
利根川道明・・・TV欲目の社員コメンテーター。後にフリーのMCになる。EITO協力者。
田尾美緒子・・・白バイ隊隊長。巡査部長。EITOと協同作戦をとる。
白藤署長・・・丸髷署署長。みちるの伯父。
山下いさみ・・・オクトパスの「枝」だった筈がオクトパス自身だった。拘置所に入っている。減刑を条件に、ダークレインボーの情報を提供している。
ジョニー秀樹・・・和知秀樹。アメリカ空軍の潜入捜査官。
旭川茜・・・実は仮面パーティーに現れた、クラウンの女で、アメリカ空軍の潜入捜査官。
物部一朗太・・・伝子の大学の翻訳部の副部長。喫茶店アテロゴを経営している。
辰巳一郎・・・物部が経営する、喫茶店アテロゴの従業員。
大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。
藤井康子・・・伝子のマンションの区切り隣の住人。
山村編集長・・・みゆき出版編集長。伝子と高遠の原稿の面倒を見ている。
須藤桃子医官・・・陸自からのEITO出向。基本的に診療室勤務。
高坂一郎看護官・・・陸自からのEITO出向。基本的に診療室勤務。
南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。高校の国語教師だったが、今は妻と学習塾を経営している。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
==EITOガーディアンズとは、EITOの後方支援部隊である。==========
午後1時半。
総理私邸を出た総理の車は、一般道を走っていた。いきなり、煽り運転する車が現れた。
「では、参ります。総理。シートベルトに捕まって!」
早乙女は何と、煽り運転する車に逆にぶつかって、スイングさせた。数回繰り返す内、煽り運転する車は、中央分離帯近くのガードレールにぶつかり、乗り上げて止まった。
早乙女が車の中を確認すると、時限装置付きのダイナマイトがあった。
「総理。車から降りて、離れてください!」と早乙女は叫び、爆発物の解体にかかった。
午後1時半。麻生島副総裁の家。
覆面をした男達3人が書斎に忍び込み、麻生島の頭に拳銃を突きつけた。
その男達に対して入って来たSP隊員達が、ウォーターガン、即ち水鉄砲で使用困難にした。男達は手を挙げた。
「水鉄砲・・・ですか。こんな使い方もあるんだ。」と麻生島は笑った。
「EITOに教わったんです。副総裁。」と河村は胸を張って言った。
午後1時半。野口元総理の家。
宅配便を装って侵入した男は、忽ち警察官達に取り押さえられた。
「古いよ、やり方が。」と中津警部が言い、『時代はデジタル』ですよね。まあ、唐草模様の手ぬぐいでないだけ、ましかな。」と、野口元総理も冗談を言った。
午後1時半。
志田総理の車は、県境までやって来た。
福本は、わざとヤマトネ運輸の車を追手の車に割り込ませ、横転させた。
「もしもし。」と、電話をしている松下の横で、福本は、長波ホイッスルを吹いた。
パトカーのサイレンが鳴って、到着した。
「事故処理開始!」警察官達が動きだした。
「ええと、横転したドライバーさんから,お話を伺おうか?原田君、そっち頼むよ。」
そう言って、丸髷署署長は、原田にウインクした。
午後1時半。姿元総理の家。
「先日、アポを頂いた・・・」と言いながら、男が侵入してきた。
「アポ取った人間がピッキングなんかやるかしら?」そう言って、根津は大外刈りを男にかけた。
「ステキ!今度教えて下さらない?」と、元総理の孫は言った。
午後1時半。大泉元総理の家。
チャイムを押そうとしている男は、中津健二が羽交い締めにし、泊がブローパンチをくりだした。
午後1時半。
信号無視して、国会議事堂に向かう車が三台あった。高峰達は、国会議事堂の正門前に車でバリケードを築いた。
尚且つ、暴走することを確認した、白バイ隊は、前に回り込み、刺股(さすまた)をタイヤ目がけて投げた。
暴走車は、いずれもバランスを崩して、横転した。
「凄い!」街路樹の陰から撮影していた南原が言った。
「南原さん、撮影協力、ありがとうございました。」田尾隊長の持っている運転免許証の一部を南原は見た。『多鶴子』という文字が見えた。
午後1時半。芭蕉庵史跡展望庭園。
なぎさ達エマージェンシーガールズの加勢に入ったEITOガーディアンズは、ホバーバイクのペッパーガンで胡椒弾を撃った。
ホバーバイクとは、『宙に浮くバイク』のことであり、民間が開発したものをEITOが採用、改造して運搬や戦闘に使用している。ペッパーガンとは、胡椒等調味料を練り込んだ丸薬を弾にして撃つ銃で、エマージェンシーガールズの標準装備であるばかりでなく、ホバーバイクにも搭載されている。
戦闘が終りつつある時、リーダーらしき男が機関銃を構えた。
「みっともないぞ、神崎。いや、偽ジョニー秀樹!」と言いながら、歩いて来たEITOガーディアンズの服装の男が言った。
「久しぶりだな。ジョニー。」「何者だ。」
やって来た男は、ジョニーに言われて、頭部の覆面部分を脱いだ。
「俺だよ、ナチュラル・デプス。俺はオクトパスだよ。」
「え?」偽ジョニーは、固まった。フリーズ状態だ。
オクトパスは、スマホを操り、画面を偽ジョニーに向けた。
「初めまして、エーアイです。電子情報でなく、現地に飛んだ特派員で、細かいところで、君のデータが偽物だったことが判明したよ。」
「うう、嘘だ!俺はまだお前に会ったことはない。」「まだ?語るに落ちた、な。」
午後2時半。福本家。
祥子が機械に繋がっているマイクに向かって言った。
「初めまして、エーアイです。電子情報でなく、現地に飛んだ特派員で、細かいところで、君のデータが偽物だったことが判明したよ。」
スピーカーから流れる声はボイスチェンジャーを通した声だった。
芭蕉庵史跡展望庭園。
「君がばら撒いた胞子は、全て掃除したよ。何故って?エーアイだからさ。」
偽ジョニー、いや、ナチュラル・デプスは膝を折った。
「しゃべるエーアイ、なんて・・・。はっは、はっはっっは。」
ナチュラル・デプスの声は虚しく響いた。
「今、霜月多鶴子が投降した、と連絡が来たよ。残るは・・・。」と伝子は言った。
あつこは、長波ホイッスルを吹いた。
午後5時。EITO東京本部。司令室。
「理事官。アンバサダーから、対ナチュラル・デプスの作戦終了の報せが届きました!」
渡の声に、理事官は「そりゃ良かった。」と言いながら、夏目警視正に目配せした。
「これで、永井君もお役御免だ。ご苦労様。」と言いながら、夏目警視正は永井巡査部長の腕に手錠をかけた。
すかさず、後ろに回っていた須藤医官が、永井の肩に注射器を立てた。
3秒で、永井は倒れた。夏目警視正は、長波ホイッスルを吹いた。
すぐに,高坂看護官がストレッチャーを運んで来た。
「高坂。救急車は?」「入り口に手配してあります。目覚めた時は警察ですね、最後の『枝』は。」
午後5時。総理官邸。
「早乙女さん、まだちゃんとお悔やみを言ってなかったわ。ごめんなさい。」と市橋総理は早乙女に頭を下げた。
「いえ。弔電頂いただけでも光栄でした。隊長は、こうして、またチャンスをくれました。警察官は退職しましたが、非正規ながら、もうEITOの隊員をやっています。」
「良かったわ。爆発物の処理も出来るのね。」「はい。渡辺警視に指導して頂いております。」「ああ。渡辺さんも、いつか警護して頂いたわね。よろしくお伝え下さい。」
2人は、堅い握手を交わした。
午後5時。やすらぎほのかホテル東京。
「あなた。明日の挙式、キャンセルが出たわ。ご親戚に不幸が出たって。早速、飯星さんと高坂さんの挙式をセットするわ。」と、慶子が言い、「じゃ、俺はEITOに連絡するよ。」と、依田が言い、教えて貰った臨時の番号に電話をかけた。
午後5時。伝子のマンション。
高遠は、大阪支部に、EITO用のPCでテレビ電話をした。
「そうですか。こちらも1時間ほど前に平定したところですわ。お互い、赤飯ですな。」と、大前は大声で笑った。
午後5時。コスプレ衣装店ヒロインズ。
愛宕からの電話を切った、みちるが言った。「玉井。終ったわ。ヒーローものの口上を教えてくれた、あんたのお陰よ。」
「そうですか。白藤様。勝利したのですね。おめでとうございます。下着だけですが、サービスさせて頂きます。」みちるは、にっこりと笑った。
午後5時。特別護送車の中。
「管理官。役に立てて良かったよ。あの『恐怖に引きつった顔』、面白かったな。」と、オクトパスこと山下は言った。
「お前さんのキャラだから、バレなかった。見込み違いでなくて良かったよ。まあ,大文字君の知恵なんだが。」久保田管理官は笑った。
「そうだと思ったよ。大文字伝子が行く。そこに事件が待っている。『快刀乱麻を断つ』女。颯爽と登場。どうかね、こんなキャッチフレーズ。」と、山下は済まして言った。
「伝えておくよ。お疲れさま。」
2人は笑い合った。
午後5時半。伝子のマンション。
チャイムが鳴ったので、高遠が出ると、綾子と山村編集長だった。
「来る途中で編集長が声かけて下さったのよ、婿殿。お礼言って。」と、綾子が言うと、「編集長。ふつつかな姑を送っていただきありがとうございました。良かったら、夕飯食べて行きませんか?チーズカレーですけど。」と、高遠は言った。
「あら、悪いわね。じゃあ、ご相伴しましょう。」
そこへ、藤井が顔を出した。
「チーズ、持って来たわよ。あら、編集長。編集長も召し上がる?ウチの生徒さんがね、北海道出身で、実家から送ってきたのを持って来てくれたのよ。」「まあ、本場じゃない。今夜は濃厚なチーズカレーね。」と、編集長は何故か頬を赤く染めた。
午後5時半。喫茶店アテロゴ。
「大文字からメールが来てる。おおお。遂にナチュラル・デプス軍殲滅だと。よし、辰巳。今から閉店まで、食べ物に飲み物セットなら1割引だ。」
「1割引ですね。札、出してきます。良かったですね、高遠さん達、やっと、ゆっくり出来ますね。」「うん。あ。栞に電話しとこう。」
その時、店に1人の男の客が入って来た。
―完―
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