第2話:異世界での目覚め

カズオはふと目を覚ました。目の前に広がるのは、見たこともない景色だった。青い空、広がる緑の草原。しかし、その美しさに見惚れる余裕はなかった。彼は、自分がなぜこんな場所にいるのか、そしてなぜ自分が草原の中にぽつんと転がっているのかが理解できなかった。


「なんだ、ここは…?俺は死んだはずだろう…。」


そう考えながら自分の体を見下ろすと、そこには自分の手足はおろか、人間の姿すらなかった。カズオは自分がまさかと思い、目を凝らした。


「え、えぇ!?俺、…糞転がしじゃないか!」


彼は小さな丸い虫の姿になっていた。そして、目の前には途方もない大きさの、いや、彼の小さな体にとっては途方もなく大きな糞が転がっていた。


「これが、俺の…仕事なのか?」


カズオは驚愕しながらも、体が自然に動いていた。彼は糞を押しながら転がしていた。転がし続けることで、なぜか少しずつ力が湧いてくるのを感じた。


「まさか、これが俺の新しい人生…いや、虫生ってやつか?」

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