第三章 始まりの村
【始まりの村】
[始まりの村]
※『異世界中二病プロジェクト』本日も副音声は()でファンタジー肯定派のクロノマオウ女史、ファンタジー否定派の成瀬女史、SF映画監督の神谷でモニタールーム『神の間』からお届けしています。
(・・・ わー! ったく誰だよ途中でパコールのブラ落としてんの)
(エルフのお色気役の娘ね)(成瀬)
(やられた狼にかろうじて咥えて退場して貰ったからよかったものの
(耐えたね~)(クロノ)
(意外と
(はい、勇者一行は不思議な事に出口まで何も出くわさずにすんなりと出られましたー)(成瀬)
目の前に深い森が広がる。
夕陽が落ち大分暗くなっていた。
「怖いわ慎太郎くん。どっちに行けばいいのかしら?」(ミオナ)
「そう言えば何もわからないし寝る所もご飯もないな。えーと、マップ!」(慎太郎)
(わっ、こいつまだミオナが何も振ってないのにいきなりマップ使いやがった。 『レベッカ、獣人スタントチーム、直ぐにGPSをオンにしろ!』)
フォン。
「なんかこれ村っぽいね。こっちだ」(慎太郎)
「この光の点は何かしら?」(ミオナ)
「何だろう。近づいて来る。青い点をいくつもの赤い点が追いかけてるからこれは赤いのが敵だよ」(慎太郎)
(何でそれだけで赤が敵だって解んのよ)(成瀬)
(うん、これゲームの通りにしたからね)(クロノ)
「た、助けて下さい」(謎の女の子)
ズザザザッ。
茂みから女の子が出て来た。
キター!
「ミオナちゃん! 後ろの!」(慎太郎)
「うん! プロテクトシールド!」(ミオナ)
光り輝く大きな白い壁が茂みの先に出来た。
ドカッ、ドカッ。 ドテッ。
「うっ!」「うがっ!」「ギャン!」(ワーウルフ達)
後から追って来たワーウルフ達が壁に弾かれて倒れた。
(わー! なんか今一人失敗して、腕が壁を突き抜けたわよ。スタントチームあれだけ練習したのに、、、)(成瀬)
(あの壁ホログラムだからね。大丈夫バレてないバレてない:汗)(クロノ)
(耐えたー)
「助けて頂きありがとうございます」(謎の女の子)
えーとこういう時何て言えばいいだろ。
「あの魔獣達も僕達の前に現れたのが運のツキだったからね!」(慎太郎)
(ちょっとボキャブラリーの少い中二病っぽい)(クロノ)
(いや、今のもやっつけたのミオナだわよね)(成瀬)
テッテレレー。
(おいここでレベル上げるのかよ。今のは壁に当たって自分で倒れただけだろ)
(しょうがないじゃない。色々とあるのよ)(クロノ)
(判ったマオウ。やり過ぎてバレないようにな)
「僕達は勇者の慎太郎と魔法使いミオナ。キミは?」(慎太郎)
「まあ、勇者さまだったのですね? 私は近くの村のレベッカと言います。よろしければ家までいらして頂きお礼をしたいのですけど、、、」(レベッカ)
「まあ、こちらこそありがとうございます。慎太郎くん行きましょう」(ミオナ)
「う、うん」(慎太郎)
レベッカの家に向かい歩き始める一行。
テクテク。
「ここはなんと言う国ですか?」(ミオナ)
「ここはガウレリア王国の外れにありますジーマ村と言う所でこの森は黒き森と言われています」(レベッカ)
あー、そう言えば女神様に聞いてたけどミオナちゃんに説明するの忘れてたよ。
「森へはお一人で?」(ミオナ)
「はい、お父さんの珍しい薬草を探しに来た所をワーウルフに襲われました。まだ薬草は見つかってないのですが、、、」(レベッカ)
「それは大変だったわね」(ミオナ)
(『ミオナまだだぞ。もう少し先だ』)
「お父さんはどうかしたの?」(ミオナ)
「はい、仕事中に足に怪我をして歩けないのです」(レベッカ)
(『よし、ミオナそこだ』)
ミオナが立ち止まる。
「どうしたのミオナちゃん」(慎太郎)
「慎太郎くん。魔法で彼女の欲しい薬草を探せないかしら?」(ミオナ)
「えーと、ステータス。あったサーチ素材っていうのがある」(慎太郎)
「お願い! 慎太郎くん」(ミオナ)
「うん、サーチ素材!」(慎太郎)
ポゥ。
少し先の木の根本の下辺りから光が溢れた。
ガサガサ。
「あった、これじゃない?」(ミオナ)
プチッ。
光が消えていく。
「そうです。わー、慎太郎さんありがとうございます」(レベッカ)
少女は凄く嬉しそうだ。
(もう何でも有りねこの演出。なんで何も言わないで薬草をサーチ出来たの? 薬草じゃなくて素材って言ったよね。しかもあれただのドクダミじゃないの?)(成瀬)
(そ、そうよ。いいの慎太郎にはわからないだろうから。中二病だからバレてもそういう設定だって思うわ)(クロノ)
「さすが慎太郎くんね」(ミオナ)
「もう直ぐ村に着きます」(レベッカ)
何軒かの家はありそうだが小さな村のようだ。
いくつかの家の灯りが見えるだけで月明かりが足元を照らす。
立札にはジーマ村。(とローマ字で書いてある)
ゲームに出てくる始まりの村と同じ名前だ。
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