第5話 メンタルクリニックゴーダ
現在地が罪人街まで離れているので時間がある。
今のところ船の操作も行っているが何某かの追ってもなく、真っ直ぐ飛ぶだけ
なので並行で何かやっても問題はないだろう。
脳裏で展開される外の様子に注意しつつ、罪人街に到着するまでにやっておきたいことを済ますことにする。
「とりあえず邪魔くさいし、君の鎖付きの首輪を取るか」
「……いいんですか?」
「ああ、気が変わった」
主人公は奴隷の首輪を無理矢理付けられた時、素手で破壊していたが先ほど凄まじい身体能力を披露していたし、ワンチャンいけるか。
試しに両手で首輪を持って引き割ろうとすると留め具が壊れて、首輪が外れた。
フィジカルエリート過ぎるなこの体。
腕力が鉄の耐久力の上を行っている。
「これでOKだな。今からは君は客人だ。あとは体を休めるなり、自由にしてくれていい。備品も勝手に使ってくれ」
待遇について言い渡すとボロボロとシルヴィが涙を流し始めた。
「申し訳ありません。もう人として扱われることはないと思っていたので」
壮絶だな。
人として扱われないと思わないといけないなんて。
蝶よ花よと育てられてきた王女時代を思えば絶望を一入だっただろう。
「酷い目にあったんだな。こっちの都合で振り回してる部分もあるから、並の人間程度には生活が送れるレベルになるまでは面倒は見るつもりだ」
「何から何までありがとうございます」
安心してもらって泣き止んでもらうために今後のことについて言ったつもりだったがさらに涙の勢いが増してしまった。
ここで抱きしめてやれるような甲斐性はないが泣き止むまで背中くらいは摩ってやるか。
しばらく摩ってやると落ち着いてきたのか、シルヴィは涙を拭いて顔を上げた。
「何もかも失った私に手を差し伸べて頂いたこのご恩必ずお返しします」
シルヴィは凛とした顔つきでそう宣言してくる。
先ほどまでの陰鬱な表情よりも余程しっくりくる。
ゲームで見た本来のシルヴィの顔つきだ。
もう大丈夫だろう。
「期待しとく。俺は少し船の中を確認しにいく。罪人街に到着する時になったら呼びにいくから自由にしててくれ」
「はい」
さて現状確認のためにもこの船で手に入る情報を集めるか。
───
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