第45話 最初からわかっていたんだ

健は芽々に衝撃的な事実を語る。「俺の父さんを、俺が神になるために利用したんだ。小さな頃から、世界の機関をすべて自分のために使いたかった。女も、全てが俺のためのものだったんだ。」健の語る言葉は、芽々を驚愕させた。


しかし、健の真実はさらに驚くべきものであった。実は健の父は異型の化け物に変貌しており、健に寄生し、操っていたのだ。健の目には、父の恐怖と欲望が映っていた。


健の父は、日本が崩壊する前、優れた研究者として品種改良の分野で働いていた。彼は画期的な自動品種改良機を開発し、これが人類にとって大きな進歩となるはずだった。しかし、機械の起動初日に予期せぬ異変が起こった。豚や牛など、異なる動物の遺伝子が異常に混ざり合い、異型の化け物が誕生してしまったのだ。


その異型の化け物は、単なる生物ではなく、驚くべき知能を持ち合わせており、瞬く間に研究施設全体を支配した。さらに、その勢力は瞬く間に広がり、外の世界へと進出。次々と人類を襲い、滅亡の危機を招いた。


健の父もその混乱の中で犠牲となり、化け物に巻き込まれた。だが、彼は完全に消滅することはなかった。彼は小型の異型の化け物へと変異し、自らの意思を持つ存在として生き延びた。その能力により、他の化け物に寄生しながら、彼は一つの目標に心を集中させていた。それは、自らの息子、健を待ち続けることだった。


健の父は、健を利用し、その力を借りて再び世界を支配しようと企んでいた。そのため、彼は健の成長を見守り、計画を着々と進めていた。そして、その最終段階が今、静かに進行していたのである。

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