第10話 別れ別れ

遠藤「じゃあ他の所に行く皆、またね~」

 

条野「おそらく最終日まで会うことは無いでしょうからね」


輝子「これは一応試験なのだからな、気を抜くでないぞ」


大下「しばらく会わないってなら司馬さんに聞いときたいことがあるんだけど…」


司馬「何ですか?」


大下「司馬さん、どっかで僕と会ったことある?」


司馬「…いや、そんなことは無いと思いますが…」


大下「そう、ならいいや」


輝子「立原!貴様と遠藤だけでは多少不安だが他国の者も行くようだし大丈夫だろう、我らが猟犬の名を貶める真似はしてくれるなよ!」


立原「了解しました、最善を尽くします」


遠藤「立原さん、何やってんの? 早くいこ~」


立原「分かった、今行くから待っててくれ、では輝子さんも頑張ってください」


輝子「貴様に言われるまでもない」

大倉輝子サイド・アメリカ軍専用の飛行機にて


ヘンリー「現在サンフランシスコは他のところととは違ってあまりギルドの息はかかってません」


輝子「あまり、ということは多少はギルドの輩がおるのだな」


ヘンリー「そういうことです、しかも実質一人しかいないみたいなものです」


室生「一人しかいないのでは意味がないのでは?それに一人なら簡単に落とせるだろう」


ヘンリー「その一人がとてつもなく強いらしく、更に隠れるのもうまい、数々の部隊や精鋭たちが送られましたが、見つけられずに戻ってくるか戦闘不能、もしくは死亡して戻ってきます」


大下「そいつはどんな奴なの?」


ヘンリー「名をヘミングウェイ、年齢も能力も分からない、謎の老人という情報のみあります」


輝子「能力が分からないとなるとこちら側が不利だな、こちらの能力は政府の正式な情報、情報収集に長けている者が敵側にいれば伝わっている恐れがある」


室生「だが敵が一人というのならこちらが物量はこちらが有利だな」


輝子「案外そうではないかもしれんぞ」


室生「どういうことですか?」


輝子「軍隊も送り込んだのだろう、しかし向こう側が勝っている、しかし敵は一人なのは確定している、つまり相手の能力は多対一にも強い能力ということではないか?」


ヘンリー「確かに、となることの人選はヤバくないですかね」


室生「まあでも今からではどうしようもない、俺らだけでなんとかしよう」


輝子「それもそうだな」

輝子「ここがサンフランシスコか…」


室生「世界有数の経済都市ということも相まってさすがに大きいですね」


大下「こんなに広い都市から一から見つけ出すの?」


ヘンリー「いえ、私たちがある程度場所は絞ってあります」


輝子「どのあたりじゃ?」


ヘンリー「海岸付近全般に目撃例があるのでそのあたりかと…」


輝子「まあゆっくり探せばいいだろう、丸々七日間使えるのだろう」


ヘンリー「いきなり出てくるかもですから気は引き締めておいてくださいね」


しかし、結局会敵することは無く夕方となった

一同はサンフランシスコの軍隊基地へ行くことにした


大下「しっかし、見つからなかったねぇ」


輝子「それっぽい奴には片っ端から声をかけたのじゃがなあ」


ヘンリー「まぁまだ時間はあります、明日こそ頑張りましょう」


その後軍の基地に着き、明日の予定を確認した後、各々の時間を過ごすこととなった

大下宇蛇児はそのまま眠り、大倉輝子はヘミングウェイについて調べてみることにした

室生も眠ろうとしたが、眠れなくて一度外に出ることにした

そしたら外にヘンリーがいた


ヘンリー「室生さんは眠らないんですか?」


室生「いや…色々な事が起こりすぎてちょっと混乱してて…」


ヘンリー「そういえばあなたって最近軍に入ったばかり何ですよね」


室生「はい、勧誘されて、確かに現状を変えたかったので」


ヘンリー「ちょっと散歩しませんか? なんか私も緊張してきちゃって」


室生「ああ、行きましょう」


ヘンリー「別に敬語使わなくていいですよ、私も新人ですし」


室生「えっとじゃあ…俺も行く」


ヘンリー「ええ、行きましょう」


室生「ヘンリーは何で軍に入ったんだ?」


ヘンリー「私、片目だけ目が良いんですよ、他の人よりもだいぶ、左目を瞑ると右目で相当遠くまで見えるんですよ、それを活かして狙撃とかできるかも…って感じで軍に入ったんですよ、室生さんは右目に眼帯付けてますが、怪我でもしたんですか?」


室生「あぁ、これは…」


その時、海岸の方向から何か大きな音がした

それに続く絶叫、2人はそれを聞き走り出した

基地の敷地を抜けて市街地の方向へ、さらに海岸へ

たどり着いたのは昼間は観光客で賑わっていたビーチ

そこには血塗れのローブを被った男と倒れた兵士がいた


?「おっと、見られてしまったか、しかし私は君たちを始末するようには言われていない、早く帰り給え、出来れば通報しないで貰えると有難い」


室生「あの倒れてる人…」


ヘンリー「えぇ、この辺りを循環警備してる兵です」


室生「どうする?奴を見逃す訳にもいかんだろう」


ヘンリー「それより怪我人の救助が先です、相手を刺激しないように…」


室生「おい貴様、なぜこのような事をした」


ヘンリー「ちょっと室生さん⁉︎」


?「簡単だ、この街の防衛戦力を削ぐように言われてるからだ、警察、兵士などが多いと我々の目的の邪魔となる」


ヘンリー「私も、その邪魔の一員ですよ」


?「そうか、では遠慮なく」


ヘンリー「室生さんはあの兵士を連れて基地まで戻ってください」


室生「分かった、危険な真似はするなよ」


ローブを被った男は銃を取り出してこちらに向けてきた

ヘンリーもそれに対抗するように拳銃を取り出す

緊迫した空気の中で一番早く動いたのはヘンリー、男に迷いなく打ち込む

しかしそれは何かによって弾かれる、それが何かは暗闇のせいかよく分からない

ローブの男も銃を撃つ

こちらは拳銃ではなく、戦争などで使われるいわゆるライフル銃、近接戦では不利

それを理解してヘンリーは距離を詰める

仮に有効打を与えられなかったとしても相手から倒れた兵士を引き剥がせれば室生が回収してくれる

そしたらその後逃走しても最悪痛み分けという形で終われる

しかしそのによって拳銃が破壊された

ヘンリーは攻撃手段がない、相手は銃を構えているそんな絶体絶命の状況下

室生が兵士を抱えたまま飛び蹴りを相手に加えた


ヘンリー「ちょっと室生さん⁉︎ 怪我人も抱えてるんだし、貴方が怪我したらどうするんですか!」


室生「でもあそこで助けを入れてなければお前も死んでただろう、俺は正直、見ず知らずのこいつよりお前の方が大事だ、それよりあいつは?」


室生の蹴りによってバランスを崩した男は濡れた夜の砂浜に倒れる

それと同時にフードが取れた

その中にあった顔は…」


ヘンリー「っ!お前まさか?」


?「今日の所はお暇しよう、じゃあな勇敢な少年たち」


そう言って男は水飛沫を大きく上げながら空へと飛び上がる

そのまま姿は見えなくなってしまった


室生「あいつがどうかしたのか?」


ヘンリー「おそらくあいつ、ヘミングウェイです」


室生「あいつがか?しかし一切情報を落とさず逃げられたな…」


ヘンリー「取り敢えず彼を運びましょう、怪我が悪化するといけない」


室生「そうだな、急ごう」


____________________________________

オリキャラ紹介

名前

オー・ヘンリー

異能力

最後の一葉

見える空間、又は触れた物体にマーキングをし、そこに銃を撃てば確実に当たる能力

物理的に防御されると届かない

マーキングは一度使うと消える


言い忘れてたこと

・島崎藤村はメガネ






























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文豪ストレイドックス 猟犬新人採用試験 銅 円香 @harumamasiko

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