第46話 深海海斗2
午後3時。ただいまより文化祭のメインディッシュである、白薔薇高校と超都市高校の全面戦争が始まる。相手は獅子祭と深海海斗の2人。席次3位と4位の2人だけで超都市の最大戦力に匹敵する。
対するは白薔薇高校の精鋭。海人、空、大地林、雨雲忍、機械愛、深海古都。加えて観客。見物人のアシストありの何でもありのケンカになった。
グラウンドの西側に獅子祭と深海海斗の2人が立ち、東側に白薔薇高校の精鋭が立つ。海人は緊張を飲み込み、勝つ勢いで勝負を始めた。
「スタート」
瞬間。奇襲が入る。『瞬間移動』と『透明変化』の2人が深海海斗をぶん殴る。が、強化系最強の深海海斗はまったくの無傷。
「何かしたか? 祭。透明な奴に気をつけろ」
「御意」
獅子祭が100人くらいに分身する。
奇襲を仕掛けた『瞬間移動』と『透明変化』は白薔薇高校陣営に戻ってくる。
「お疲れ様ー。僕たちに任せて」
大地林が励まし、続いて、雨雲忍が『暴風雨』を仕掛ける。
傘強化。傘変化。傘操作のデュアルスキル。大雨がグラウンドを蹂躙する。
海人が指示を出す。
「深海古都さん。頼んだ」
「かしら!」
深海古都の『水分操作』。レベル4の操作系の超能力で、雨雲忍の大雨を操作。水分操作は水分がなければちっとも強くない能力だが、大量の雨水がある中では真価を発揮する。怒涛の暴風雨が超都市高校の2人を襲う。
「虎に翼」
千変の龍虎が変化する。背中に翼を生やし、空中に避難する。深海海斗を抱いて空に逃げた。
「祭さん。まだまだです」
深海古都が水を得た魚のごとく活躍する。水鉄砲で次々に空中の獅子祭を撃破して消滅させる。
観客たちは大盛り上がり。まるで遊園地のジェットコースター気分。水族館のイルカショーのごとく水飛沫が飛ぶ。
「祭。手を貸そうか?」
「まだ、大丈夫。席次4位を舐めないでもらいたい」
獅子祭が本気を出す。世界改変。世界変化の力。水中から一匹の龍が飛び出し、獅子祭と深海海斗を乗せて高く飛翔する。そして、大地が割れ、トラが出現し、大水を飲み込んでいく。世界を改変する力を持つ龍とトラ。
世界強化。世界変化。世界操作。世界を改変する力を超人(レベル5)と呼ぶ。
雨雲忍が叫ぶ。
「私の『暴風雨』がかき消された。『千変』は世界を変化させる力だ。どう戦う?」
「雨雲2年生。私に任せて」
機械愛が本気を出す。『AI革命』により、世界を改変する。グラウンドが無機質な機械だらけになる。メカ恐竜が出現する。
「ミサイル搭載のメカ恐竜だよ。行けぇ!」
メカ恐竜から多数のミサイルが発射される。トラは軽々しく木っ端みじんになり、龍を打ち落とす。形勢は逆転した。
「『千変』。ミサイルにはミサイルを! だ!」
獅子祭が機械愛の作り出したメカ恐竜を再現する。千変はどんな姿にも変化して、コピーできる。
メカ恐竜とメカ恐竜が激突する。ミサイルを何十発と打ち込み、お互いがボロボロになる。
「獅子3年生とは互角といったところか……」
「だろうな。楽しかった。機械さん」
お互いの世界変化した心象風景が消える。グラウンドがボロボロになっていた。
「さあ、そろそろ真打の登場だ。待ってろよ。青野海人。お前をぶん殴る」
深海海斗が飛び出す。途中、空が前に出る。坂道絆の『能力強化』によって強化された『風林火山』が深海海斗と激突する。
二度、三度、激突し、それでも深海海斗の方が上。空が押される。圧倒される。
「どうした、大将? 出てこいよ」
深海海斗が挑発する。なので、ここぞというときに、海人は切り札を使った。
「合体だ。空!」
「うん。海人」
空を女性洗脳で操る。そして、超能力を合体させる。『独眼竜伊達政宗』。軍神ちゃんを登場させる。固有結界&領域展開。軍神ちゃんの爆誕。
「はーい。軍神ちゃんです」
10歳の女の子が姿をあらわす。
変化形と特質系の邪眼を持った軍神ちゃん。深海海斗の目を見て邪眼にかけようとする。
「無駄だ。『天上天下唯我独尊』!」
能力無効化能力。軍神ちゃんの邪眼を無効化する。そのまま深海海斗は海人の方に駆けてパンチを繰り出した。
「一発、死んどけ」
大将が負けてはやられる。大地林は急いで『十人十色』を使い、観客の唐変木直人の『性別変化』を使った。男性を女性にする能力。海人が女性の姿に変わる。
「――なっ!?」
深海海斗は女性を殴れない。強力なパンチは寸止めされる。
「卑怯だぞ。青野海人!」
バックステップして一旦下がる、深海海斗。そこへ海人は本当の切り札を出す。
「ありがとうございます。大地先輩。唐変木先輩。さて次の手を出しますか?」
「おっけー」
大地林がさらに空を操作する。
強化系+操作系+操作系=新技。
海人と大地林の修行により、合体はできなかったが、空を媒介にトリプル合体すれば超能力を合わせて合体できた。
『風林火山』+『十人十色』+『女性洗脳』=
その名も。
――『諸葛孔明』
軍神ちゃんが『独眼竜伊達政宗』から『諸葛孔明』に変化する。
世界を改変する力。操作系の最上位の力を発揮する。
「無駄だ。青野海人。今度は女性の姿でも殴るぞ!」
深海海斗が突っ込んでくる。
軍神ちゃん『諸葛孔明』が罠を張る。
グラウンドに空いた穴に大量の水を流し込む。雨雲忍と深海古都を操作して。
「『天上天下唯我独尊』! お前の能力を無効化する!」
「孔明の罠だよ」
軍神ちゃんの攻撃はすでに届いていた。
深海海斗は空中戦と水中戦を苦手とする。
グラウンドに空いた大穴に、大量の水が流し込まれて、その中に一人、深海海斗は漂っていた。大量の水になすすべがない。超能力の残滓であるオーラによる肉体強化をしても足場がなければ無力。息ができずに溺れていく。
軍神ちゃん。『諸葛孔明』は操作系の策士。頭の回転が切れた。
「私たちの負けだ。海斗を助けてやってくれ」
獅子祭が白旗を上げる。
「軍神ちゃん。お願い」
「うむ」
軍神ちゃんは空を操作して『風林火山』の山を使う。空を大穴の巨大なプールに投げ入れて水分を吸収していく。
数秒後。
溺れた深海海斗が倒れていた。
「安全装置があるから命に別状はありません」
「ああ、青野。しかし、万が一にもある。私が人工呼吸をしよう」
獅子祭が深海海斗にキスをして人工呼吸を開始する。
会場は一番の盛り上がりを見せた。
「白薔薇高校の勝ちです」
大喝采の拍手の雨。ものすごい試合に会場中が沸いた。
「美女と野獣。深海海斗を助けるのは獅子祭さんですよ。おめでとうございます」
海人がそう告げると、機械愛が話しかけてくる。
「青野1年生。その、何だ、」
「何?」
「ハグしてほしい」
海人は唐変木直人の『性別変更』で美少女の姿になっていた。
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