天罰
〜カジノ入口〜〜
「とりあえずメールは送ってみたけど、あいつら見るかな……?電話かけたほうが良かったか?」
あと五分経っても来なかったら、あいつら呼びに行ってみよう。
まぁ緋呂斗は気づくと思うけど、問題は五色が気づいてくれるかどうかだけど、でもあいつゲームとかしてるとき絶対、スマホとか見ないタイプだしなーー。
俺がそんな考え事をしていると目の前の扉が開いた。
おっ噂をすれば。
「すいません、少し遅れました」
扉から出てきたのは緋呂斗だった。
やっぱり、一番乗りは緋呂斗だったか、ウンウン真面目だからな。三人組の中で一番の常識人は違うなぁ。
「あれ、零さんは?てっきり志向さんのメールに既読が2つあったんで先に来てると思ってたんですけど、もしかしてまだきてない感じですか……?」
「あぁまだきてないけど。それよりもあいつ既読つけてたのかよ!!」
てことは?メールを確認したにも関わらず、まだやってるってことか?
あいつ許さねぇ。
「気が変わった、あいつを探し出してマナーというものを叩き込んでやる」
「そう……すねぇ……」
さてと……あいつどこにいるかな?とりあえずあいつが行った方の扉に入ってみるか。
にしてもあいつが行った方の部屋って何が主体となって賭けが行われているんだ?メールを見る暇があるってことは、それほど切羽詰まった状況ではないことはわかるけど……
まぁ見つけて聞けばいいか。
「あ、そういえば聞きたかったんすけど、さっきまで何してたんですか?」
「カジノの中を調べて回ってたんだよ。情報があって損することなんてないだろ?それで?緋呂斗はなにしてたんだ?」
「あ、僕ですか?普通にポイント賭けて遊んでましたよ、50ポイント勝ったんですけどまだ目標金額の300ポイントには全然届かないっすね……」
やっぱ一朝一夕で達成するわけないわな、まぁできたほうが嬉しかったんだけど……こりゃあ何日も通うはめになりそうだな。
「こっちであってますかね、零さんが行った方向」
緋呂斗が扉の前で言った。
「ああそっちであってるぞ」
「ああそうすかなら良かったです。それにしても何か音しませんか?この扉の向こうから聞こえてくる気がします」
確かに何か音がするな?一体この扉の奥で何が起きてんだ?
まさかなんかやばいことに巻き込まれてるんじゃ。
「とりあえず早く開けてみよう」
「そうですね」
緋呂斗が扉をゆっくりと開けた。
その時だった、中から歓声が飛び出てくる。
「うぉぉぉぉ!!すげぇ!!あいつなん連勝目だ!?さっきからずっと勝ってるよ!!」
「知らねぇよ!!でもあいつがすごいってことはわかるぜ!!」
な、なんだ?なんの歓声だこりゃあ?
誰かが賭けで勝ってるのはわかるけど。
「あのすいません、何があったんすか?」
緋呂斗がそこら辺にいた野次馬に話しかける。
「何って、あの一年がさっきから勝ちまくってるんだよ!!いやぁずっと見てたけど、さっきから負けたところを見てないな!!」
一年生?このカジノに一年生はほとんどいないはずだし、もしかして今勝ってるのって……
「あ、あれ零さんですよ!!ほら今勝ってる一年生!!」
やっぱりか〜〜〜。一年生って聞いたときから怪しいと思ってたんだよ!!
それに多分あいつが既読スルーしたのって、この自己肯定感爆上がりの場所から離れたくないからだろ……
こころなしか、五色の顔がにやけているように見える……
「すいません、通ります!!通ります!!」
緋呂斗を先導に俺等は野次馬の中を通り過ぎていく。
やっとの思いで通り抜けると、五色の声が聞こえてくる。
「いぇーーーい!!また僕の勝ち!!さっきメールで集合かかってたけどどうでもいいや、負けるまでやろーーそれにもうちょっとで報酬が貰えそうだし」
こいつ……既読無視したこと当然のように反省してねーな?
まじで帰ったら説教だな。
「おい」
俺は五色の肩をガッチリと掴んで逃げられないようにしたあと、声を掛ける。
「はいどちら様――あっ」
「てめぇ……メールを既読無視して賭け事とはいいご身分じゃねーか?なら俺ともゲームしようぜ、こっからお前が逃げ切れるかのゲームをよぉ!!」
「あ、あの、その、さーせんでしたー!!」
〜5分後〜
「ふみまふぇんでした、もうかってなこうほうはひまへん」
腫れ上がった口を開いて五色はめいいっぱい土下座した。
そのすぐそばで、緋呂斗が氷嚢で五色の顔を治療している。
「うわぁーー顔がめっちゃ腫れてますけど大丈夫ですか?」
「で?なんでてめぇは既読無視をしたまま賭けをしてやがったんだ?流石に理由くらいはあるんだろ?」
いつもの五色なら返信くらいはするはずだからな、だがいつもっと違って既読スルーをするくらいだ、なにか理由があったに違いない。
まぁこれでただ賭け事をしてただけだったら、俺の怒りの鉄拳が飛ぶことになるけどな。
「えっと事の顛末は、僕が黒服の男を見つけたところから始まりました」
なんでこんなかしこまった喋り方なんだ?さすがにちょっとやりすぎたか?
「その人達について行ったところ、VIPルームっていうところを見つけましてですね、どうにかして入ろうと試みました。ですがどうやっても扉は開かず、よくよく見るとカードキーという物が必要ということがわかりました」
「それで僕は考えたんです、もしかしたらカードキーはポイントで買えるんじゃないかなってね。そして僕の仮説は当たってました。その証拠にスマホの中にはVIPルームに行けるカードキーが入ってます。さっき買っときました」
こいつ……思ったよりちゃんとした理由がある……あとでしっかり謝っとこ。
「えーとVIPルームってなんですか?僕全く話しについていけてないんですが?」
あ、そうだった。俺は五色と一緒に説明しようとしてなんも話してなかったわ。
「なんにも説明されてない感じ?じゃあ僕から端折って説明させてもらうねーー、えっとねーーVIPルームっていうのは、カクカクシカジカで」
いつものテンションに戻った。よかったーーなんか喋りにくかったからな。
「カジノの奥にあった謎の部屋ですか。確かに気になりますね。それでもう五色さんはカードキーを持っていて、いつでもVIPルームに行けるってわけですか。なるほど!!理解できました」
こいつ相変わらず理解がはえーな。
ていうか、この調子だとまた突撃する羽目になりそうだな……
五色の顔が生き生きし始めてるもん。
「そうそうそう言うこと〜〜。それでさ提案なんだけど、早速VIPルームに行ってみない?お願いだよいっしー、そんな怖い顔しないでよ〜〜」
ほらぁ〜〜始まったよ五色こいつ、今から強敵と戦えるっていう顔してるって……
まぁでも気にならないかと言われたら気になるよなぁ……
「うーーん……分かった。VIPルームに行くのは許可しよう。だけど条件がある、絶対に賭け事をしないこと。これが守れないなら許可できない」
「はぁ、しょうがないなー。分かった条件を飲むよ」
あれ、思ったよりすんなり条件を飲んだな?こいつもしかして賭けに行くのが目的じゃないのか?
ん?これ俺嵌められたか?
「じゃあ早速行きますか、道案内よろしくお願いします」
「おっけー、じゃあ着いてきて」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます