第3話
プランスはそう呟いてから、再びカレー作りに集中した。
♢
カレーが出来上がったって、プランスが言ってレードルで、お皿に注いでくれた。
ナンもプランスの異世界袋から出して、カレーとまた別のお皿に置いた。そのまま、両手にお皿を持ち、プランスは近づいてくる。
さっきまでは丁寧に歩いていたのに、今じゃあふざけるように、大股になってて嬉しい気持ちと、ドキッとした気持ちが交互に感じた。
「美味しいナンとカレーをお待たせ」
プランスはカレーを私の前に置き、ナンを机の真ん中に置いた。
それだけで、この料理がとても美味しいことが、自ずと分かった。でも、プランスが作った料理ならば、どんな料理でも美味しい気がする。
いや、そもそも、プランスはそんなに料理が下手ではない。
だから、料理がまずい訳ないのだ。
そう思って、再びキッチンに戻るプランスの後ろ姿を眺めた。プランス自身の料理を持ってくるのだろう。
一緒に食卓を並べるのは、初めてで、今まではプランスが私の後に食べていた。
だから、胸が高鳴った。
「今日はやっとプランスと食卓が囲めるんだね」
呟くと、プランスは満遍の笑みで、振り返った。
この時のプランスの瞳は満月の光だった。
「いいことだ」
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