実力を隠し学校に通う最強、学校では穏やかに通おうとするも..?
紫野 葉雪
第1話
ある少年、
「悠綺、大丈夫!?すごく大きな雷聞こえたんだ..けど...問題ないみたいだね。良かったぁ」
と、言い息切れしながら安堵している顔をしている人物は
「見ての通り、大丈夫だ。あ、飯食べるか?」
「うん!食べる!」
と言い、彗憐は上機嫌でキッチンのテーブルの椅子に座った。そして悠綺はやれやれと言わんばかりの呆れ顔で料理をキッチンのテーブルに運ぶ。
「てか、なんでお前は俺がご飯を作った時はここで食べるんだよ」
「そんなの決まってるじゃん!悠綺のご飯を僕が待てるわけないでしょー?」
「まぁ、それもそうだな」
と、悠綺はそう言い彗憐が座っている席の左隣に座る。それが悠綺と彗憐達2人の一定位置なのだ。幼い頃から2人は隣に座っておりそれが約7年になった今も尚抜けていない。傍から見たら座る位置のバランスが悪く違和感に思う人が多いだろうがそれは2人にとって普通のことなのだ。そして、彗憐は目の前のご飯を見て目を輝かせている。そんな彗憐を見てやや呆れ気味でそれを眺める悠綺。すると、彗憐は待ちきれなくなり目を輝かせながら悠綺の方を見ながら「もう食べていいよね?」と言わんばかりの顔をしていた。悠綺はそれを頭の上にはてなを浮かべながら見ていた。すると、痺れを切らした彗憐が口を開く。
「ね、ねぇ..もうご飯食べていいよね!?ね!!」
と、期待に満ちた表情をする。まるで待てをさせられている犬のようにつぶらな瞳で悠綺を見ていた。悠綺はこの国のマナーをすっかり忘れていたが思い出し慌てて彗憐に許可を出す。それを聞いた瞬間、彗憐は凄まじい速さで食事を口に運び食べ進める。悠綺と彗憐が住んでいる国..カランコエ帝国には『食事は、作った人が食べ始めるか食べていいと言われるまで食してはならない』というマナーがある。その理由は、作った人への感謝の気持ちや敬意を忘れないようにするためのものなのだ。このマナーの例外はパーティ、学食、などの作った人がその場にいない時や忙しい時だけだ。悠綺は料理を作ることが多く作って貰うことがなかった。そのため、マナーを忘れていたのだ。そして悠綺は不意に彗憐を見た。怒っていないかを確認するためだ。だが、悠綺の考えとは裏腹に悠綺の作った食事を美味しそうに食べていた。そんな姿を見た悠綺は少々、ホッとしながら食事を口に運んだ。
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