第3話 当然の結果

 翌日放課後、話がしたいと呼び出すと指定した場所=視聴覚室の前で、昨日まで俺の彼女だった筈の虎田ましろは、ツインテールにした長い髪をなびかせて、寝取拓郎と共に俺の前に現れた。


「義隆先輩。あの動画を見たなら、分かったわね?私の気持ちはこの人に傾いてしまったの。ふふふっ。」


 悪びれもせず、ましろはそう言って蠱惑的に笑うと、見せつけるように隣の寝取拓郎の腕に抱きついた。


「ハハッ。悪いな、鷹宮。動画で見た通り、ましろは俺が美味しく頂いちゃったぜ?」


 ましろの腰に手を回しながら下卑たニヤニヤ笑いを浮かべる寝取に、俺は顔を顰めながら、頷くしかなかった。


「ああ…。ましろの気持ちはよく分かったよ。俺達…、別れよう。」


 苦しい思いでそう言うと、ため息をつき…。




 俺は腕時計を見ながら宣言をした。


「只今、◯月☓日16:00をもって、俺とましろの恋人関係は解消された。あとは、寝取と付き合おうとどうしようと君の自由だ。

 ただし、きちんと処罰は受けてもらう事になるだろうがな。」


「「えっ。」」


 ましろと寝取が俺の発言に驚き小さく声を上げた時…。


「「二人共動くな!!」」

 ガギッ!ガシッ!


「わっ!何しやがる!」

「きゃっ!何するの!」


 屈強な大柄の男子と、スレンダーな長身の女子がいつの間にか二人の背後に忍びより、その腕を取り、ガッチリと拘束した。


「風紀委員長の上原岩男かんばらいわおだ!君達には不純異性交遊の疑いがかかっている。」

「風紀委員、副委員長の荒木梨鈴あらきりれいだ!ちょっと視聴覚室までご同行願おうか。」


「な、何だ?風紀委員だって?鷹宮、お前、チクったのかよ!」

「彼女の事を密告したの?ひどい!」


 口々に文句を言うましろと寝取に向かって、俺は呆れてため息をつくと、ポケットからUSBメモリを取り出し、二人に見せつけてやった。


「当たり前だろう。君達脳みそは空なのか?俺の役職を考えてみろよ。だぞ?NTR動画こんなものを提出されたら、為すべきことは一つだろうが!

 あと、ましろ、お前はもう彼女じゃない。既に元カノだ。」


 人差し指を突きつけて、現状と事実を言い渡してやると、奴らは半べそをかいていた。


「「そ、そんなぁ…。」」


「まずは、生徒会役員、風紀委員全員の前で、詳しく話を聞かせてもらおうか。


 上原くん、荒木さん、そいつらを視聴覚室の方に連行してもらえますか?」


「「了解した!」」

「やめろぉっ…!!」

「いやあぁっ…!!」


 風紀委員長、副委員長は、嫌がるましろと寝取を視聴覚室まで無理やり引っぱっていってくれたのだった…。

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