第8話

 「あ、優!!良かった。生きてないのかと思った」


「・・・っ」

ガチで犯罪を起こしそうになる・・・だけど抑えないと


 「あのね、私・・・謝りたくて」


 謝る??謝るってなんだよ?まさか例のこと?


いやそれ以外はありえない・・・じゃ、嫌味でか


 それか、俺の知り合いの誰かを巻き込んでとか・・・そんな、とりあえず


 「冤罪の事」


「・・・」


 俺の心配したことはないが、やっぱりそのことか

・・・許せるわけだろう。


「あとね、クラスのみんなも怒ってたのもあれは嘘ってこと」


な、何を言ってるんだよ。


 「はぁ?嘘だって?」


「そうだよ!!優あれは、嘘だったのよ。冗談だったの」


何を言っているんだ?


「だから、ほら先生も知らないでしょ。だから電話も普通に心配しか来てないんじゃないの?」


確かにそうだ。具合が悪いかと、怒られる筈なのにむしろ心配だけされて・・・



いや、でも意味がわからない。


「クラスみんなで俺を冤罪で笑ったってこと」


「そ、そうなの。ごめんね。、まさか優が学校に来なくなる程だとは思わなくて」


「・・・」


言葉が出ない・・・



怒り、悲しみ、様々な思いがめちゃくちゃに沸騰している。


抑えろ。抑えろ。


「あのね。、だから私、優にさらわれるのが嫌とか、あんなに覚めたけど、あれ嘘だから本当は・・・」


「帰って!!帰ってくれ」


「ゆ、優」


扉を閉める。


「ゆ、ゆう!!ごめんなさい!!こんなになるとは思わなくて、謝るタイミングが一度も取れないほどになるとは思ってなくて」


やめろ。やめて。もうやめて。

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