第4話 ヒロ夫妻の帰国
本日5月末日、ヒロ夫妻が夕方帰ってくる。1か月余りの新婚旅行は日本の後、フィジー経由で帰る予定である。
新婚夫婦の家にいつまでも居る事は野暮なのではあるが、あと一週間滞在させて貰う事にしよう。
7年前にヒロともゴルフをした事のあるキャンモアまで、地元の名峰スリーシスターズの撮影も兼ねてサイクリングしてみる事にした。キャンモアに着いてからも、なかなか名峰は絵はがき通りの山容にはなってくれない。町中を走り回ってみたが今一つ。
お昼は丸太小屋の洒落たレストランでサンドイッチを食べ、ハイウェイに戻って数枚撮影して帰路に就く。途中、雨が降ったりやんだりの中無事帰着。
21時ごろ、ヒロ夫妻が帰ってきた。その後、新妻ローリーの女友達が別々に訪れたが彼らが帰った後『杉の家』で働いてるもう一人のヒロ、かず子さん夫妻が訪れた。
疲れ気味のローリーが寝室に落ち着いた後、ヒロの長い旅行話が始まる。
延々と2時間のワンマンショー、しゃべる方は良いが一方的に聴かされるのは少々苦痛でもある。
フィジーでのクルーザー、それに島民の歓迎ダンスは存分に楽しめたようだ。腰ミノだけの男たちのダンスの写真を随分撮影していた。直に観ればきっと面白く楽しいであろう。だが、写真だけだとつまらない。動画でなけりゃあ。
ヒロは今は、友達と共同で雑貨屋を経営している。彼の案内でその店に行ってみた。日常品から土産物までいろんな品を扱っている。
さち子さんと言う素敵な女性が働いている。残念ながら人妻である。
本日6月2日はバンフの百年祭だそうだ。
午前中、ヒロとキャンモアへ7年ぶりのゴルフに行ってみる。ヒロはこの7年間でだいぶ上達したようだ。私のスコアは80,74で自分としてはまあまあ。ひょっとして自己ベストではないかな? 一方ヒロはトータル113で彼としては最低だったようだ。
16,17ホールでは、正面にスリーシスターズが迫ってきて、なかなかの景観である。カメラを持参すべきであったが、後悔先に立たず。
その後、Cave & Basin に行ってみる。百年祭を機に、プールやバスルームを百年前と同型にして現在再建中なんだそうだ。先日、バンフのギャラリーで見た写真と確かに似ている。
近くのトレイルコースを歩いてみた。ここはヴァーミリオン・レイクを隔ててFenland 内のトレイルコースと逆側に位置しているようだ。望遠鏡で観るとFenland をトレイルしている人の姿が見られた。
翌日、レイク・ルイーズにサイクリングする事にした。洗濯物を乾燥機にかけている間にバンフ・アベニューをぶらついていて『北極』に来たらゆう子さんがいた。5年前から働いているようだ。先日は挨拶程度で終わってたのでゆっくり立ち話をする事にした。
幸運にも一戸建ての家が80万ドルで買えて、一人息子のAdi 君と3人で暮らしているそうである。
(当時の日記に80万ドルとなっているが日本円で1億4千万円になり高過ぎ。8万ドルの間違いであろう。たぶん、私の)
予定より遅れて、レイク・ルイーズに出発、自分の体力を過信しているとも知らないで。村までの約50kmを2時間45分と順調。そこから湖まで上りが4kmあるのをすっかり忘れていた。腰が痛い。1時間ぐらいを要したが7年前よりきつい。トシかな? いや、そんなはずはない。
氷はすっかり解けていて自慢のエメラルドブルーが完全に戻っている。それでも感動が今一つなのは疲労の所為であろうか。
もう一つの美湖、モレーン・レイクは諦めてレイク・ルイーズを上から眺められるアグネス湖まで登ろうとしたが疲れて途中のミラー湖まででUターンとは情けない。
一休みして夕食をとって帰ろうとしたが、レストランが見つからずすぐに帰途に就いた。これが幸いした。
と言うのは、途中から脚が疲れて思うようにペダルが踏み込めなくなった。景観を楽しむ余裕もなく、PM9時、休憩を取る事にした。
幸いにもオレンジが3個残っており2個食べた。ゴーマン美智子選手がマラソンで意識朦朧状態からオレンジを食べて回復したという本人談を思い出したのだった。
果たして…、元気は回復した。再出発後10分ぐらいで脚が楽になり、1時間後には帰着した。
ローリーがサンドイッチを作ってくれた。空腹の為、いや料理人の腕が良い為、凄~く美味しい。完全に生き返った。
この日、日本出発までに撮影した2人のハネムーンの写真が届いていた。ヒロの説明付きで見せて貰ったが大変なボリュームだ。
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