第16話

昨日は中々眠れず真川さんも俺も寝坊してしまった。

 と言っても、普通に間に合う時間ではある。


 「・・・ご主人様、その大丈夫でしょうか??」


「大丈夫では無いかな、真川さんもでしょ」


「はい」


 「お姉ちゃんを取り戻す方法はこれからも考え続けるよ。」


「ありがとうございます。」


そして、俺たちは学校に向かう。


 今日も外は貴族に酷いことをされている奴隷がいた。

 助けてあげたいが、何も出来ない。


 前にこの世界が変わって欲しいと願った。だけどこんな変化は望んでない。少しだけ、虐めがなくなって、出来ればみんなと仲良くなれたらなと思ってたけど、それは大きく違う意味で叶ってしまった。

 

ーーーーーーーーーーー

 そして登校とすると、


 何これ??


 「ご主人様・・・何が起きてるんですか??」


 幼馴染が泣きながら木の棒を持っている。

 「嫌だ!戦いたくない!!」


 別の俺を虐めていた人女の子も、涙を流しながら口を噛み締めて覚悟を決める。

「私はやるよ!じゃないと私がご主人様様にお仕置きされるから!!」


「痛い!!痛い!やめてもうやめてよ!!」


「なら、貴方が降参しないさいよ!!」


幼馴染は血を流す傷を抑えて、痛そうに倒れている。もう一人の子はその姿を辛そうに、目を背けたそうにしている。


 そんな光景が今、学校の教室で行われている。


 クラスメイトの多くはそれを見て何も答えない。一部は楽しそうにしている。


 「痛い、痛い!痛いよ!もう戦いたくないよ!降参してよ!!」


「する訳ないでしょ!!」


・・・俺はこんなことは望んでない。望んでないよ。

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